WHILLがディーラーと連携し新移動習慣を提案「遠くはクルマ、近場はウィル」

遠くはクルマ、近場はウィル
  • 遠くはクルマ、近場はウィル
  • ウィル
  • Mission
  • 近場の運転を面倒に感じたことのあるシニア世代
  • 近場の運転を面倒に感じる理由
  • 進んでいない免許返納
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近距離モビリティの『WHILL』(ウィル)を開発・事業展開するWHILLは4月10日、「遠くはクルマ、近場はウィル」というスローガンのもと、新たな移動習慣の提案とその普及に向けた取り組みを発表した。

ウィルは免許不要で歩行領域を走行できる近距離モビリティで、高いデザイン性や操作性が特徴だ。「Model C2」は小回りが利き、「Model F」は折りたたみ可能、「Model S」は歩道を走れるスクータータイプとなったという。既存の乗り物で言うと電動車椅子やシニアカーが近い。

●シニアの移動課題と新たな解決策

日本の高齢化が進む中、免許返納やシニア世代の移動課題が社会問題となっている。2022年の道路交通法改正により、免許返納者に対する支援が進んでいるものの、多くのシニアが日常生活で車の利用を続けている。

さらにWHILLの調査によると、シニアの半数以上が近場の運転を面倒と感じており、その結果、外出自体が億劫になることが明らかになった。WHILLでは「日常的に自動車を必要としている人は多く、むしろ日々の生活に自動車は必要だ」と現状を認識している。

こうした実態を受け、WHILLはウィル取り扱いディーラーのホンダカーズ埼玉西と連携し、約300m離れた場所へ行き、荷物を持って戻るという内容で、徒歩/ウィル/車で移動・比較する実験を行なった。平均所要時間はウィル(7分)が最も速く、徒歩(10分)、車(13分)。被験者7人中5人が「近場(実験ルートや徒歩5~10分圏内)ならウィルが便利」とし、理由として「車を出す面倒がない」「渋滞に合わずに済む」などが挙がった。このほか、日常の車の運転について「普段は駐車しやすい道を選んでいる」「運転は神経を使うので疲れる」といった声も寄せられた。

WHILLは、北は北海道から南は沖縄県まで、全国各地の自動車ディーラーと連携し、免許返納後も乗り続けられる“新しいクルマ”として免許不要のウィルを、自動車に乗っているユーザーに各種アフターサポートとして届けてきた。ディーラーの数は115社1350店舗以上に広がったという。

●高齢ドライバーに寄り添った施策

そういった中で、実際に自動車とウィルを使い分けるユーザーもいることがわかった。WHILLでは「高齢ドライバーの運転や移動に関する心理」や「施策はたくさんあるのに返納は進んでいない」という疑問に立ち返り、調査やヒアリングを進めていたところ、もっと高齢ドライバーに寄り添った施策が重要だと気づいたという。

それが今回発表された移動の新習慣に関するディーラーとの連携施策だ。WHILLはディーラーと協力し、免許返納後も自立的に移動し続けられるモビリティライフ習慣の定着をめざす。具体的には、モビリティを使い分ける体験機会の創出や、自動車とウィルを使い分ける生活を応援するキャンペーンを展開する。

モビリティを使い分ける体験機会は、自動車ディーラーとWHILLとの共同企画として、4月20、21日にトヨタカローラ札幌で、4月25日にネッツトヨタ和歌山、松本日産で、4月26日にネッツニューリー北大阪でそれぞれ開催する。WHILLは「“返納前”から距離や目的に応じてモビリティを使い分けるという、移動の新習慣を提案したい」とする。

キャンペーンは年4月11日から5月31日まで実施され、65歳以上の人がWHILLを購入する際、対象モデルに応じたアクセサリーセットがプレゼントされる。これにより、シニア世代が車とウィルを使い分けることで、より便利で快適な移動スタイルを発見することが期待される。

《高木啓》

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