公取委、高速道路EV急速充電器の寡占解消を提言…eモビリティ・パワーがシェア98.7%

新東名・浜松サービスエリア(下り)の150kW級急速充電器(写真右)・6口マルチタイプ急速充電器(写真左)
  • 新東名・浜松サービスエリア(下り)の150kW級急速充電器(写真右)・6口マルチタイプ急速充電器(写真左)
  • 高速道路のSA・PAにおけるEV充電サービスの取引関係
  • 高速道路のサービスエリア(SA)およびパーキングエリア(PA)におけるEV・PHEV向け急速充電器の整備。2025年度までの見通しおよび2022年度までの実績

公正取引委員会は、高速道路の電気自動車(EV)充電サービスについて、eモビリティ・パワーのシェアが98.7%を占めているとして問題視し、所管官庁が寡占状態解消を主導することを求める報告書を公表した。

調査によると高速道路にEV充電器が2023年3月末現在、445基・536口整備されている。このうち、電力会社や自動車メーカーが出資するeモビリティ・パワーが439基でシェアが98.7%を占めている。残り6基は高速道路会社。NEXCO東日本/中日本/西日本の3社はeモビリティ・パワーと連携し、2025年度までに1100口を整備する予定。

報告書では、現状、eモビリティ・パワー以外の事業者が、高速道路にEV充電器を設置することが想定されているとは言い難いと指摘している。

公取では、充電器を1事業者だけ設置し続けるという状況では、ライバルが存在する場合と比べて、事業者の創意工夫による多様なサービスが出現しづらく、更なる高出力化に対応したEV充電器への入替えが進みづらいなど、EV充電器のイノベーションに即応できない問題が生じるおそれがあるとしている。

このため、今後、EV充電器の新規設置や入替えに当たって、高速道路会社は、複数の事業者からEV充電器設置者を選定することが、競争政策上望ましいとしている。将来的には、EV充電器設置者の新規参入を促進することで、EV充電サービスの競争が活発化することが望まれるとする。


《レスポンス編集部》

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