[プロセッサー活用]クロスオーバーの踏み込んだ設定…「スロープ」の整え方

2ウェイスピーカーが装着されたオーディオカーの一例(製作ショップ:パラダ<福井県>)。
  • 2ウェイスピーカーが装着されたオーディオカーの一例(製作ショップ:パラダ<福井県>)。
  • 2ウェイスピーカーが装着されたオーディオカーの一例(製作ショップ:パラダ<福井県>)。

クルマの中で良い音を楽しむためには、サウンドチューニング機能を搭載したメカである「プロセッサー」を使いこなせるか否かも問題となる。なおその設定はプロに任せた方が安心だが、自分でやっても楽しめる。そうすることで、より深くカーオーディオライフを満喫できる。

さて、現在はツイーターとミッドウーファーに対して再生範囲の振り分けを行う機能である「クロスオーバー」の設定方法を説明している。なおここまでは、「ツイーターの再生可能範囲の見極め」、「ツイーターのカットオフ周波数の決定」、「位相合わせ」、「ミッドウーファーのカットオフ周波数の決定」、「音量設定」という順番で調整方法を説明してきた。

そしてその中で「スロープ」の設定については、仮で「マイナス12dB/oct」または「マイナス18dB/oct」に設定しておき、「位相合わせ」のときに「位相」を合わせるために微調整を施せば良いというように解説したが、実をいうとこだわった調整を実行しようとする場合には、「スロープ」の選定も問題となってくる。

ただしこれまでにも説明してきたように、「スロープ」を変えると「位相」も変わる。なので、「スロープ」をいじる場合には常に「位相」が変化することを鑑みながら調整していくことが肝要となる。ツイーター側の「スロープ」とミッドウーファー側の「スロープ」、そして「位相切替スイッチ」を総合的に操作しながら、常に「位相」が合っているかを確認しながら「スロープ」を変更していこう。

で、「スロープ」の煮詰め方にはいろいろな考え方がある。緩めの「スロープ」を好むインストーラーもいれば急峻な「スロープ」を選定することを基本としているショップもある。

なお緩め(マイナス6やマイナス12、マイナス18あたりまで)に設定する場合には、ツイーターとミッドウーファーの両方から聴こえてくる音の量が多めになるので、サウンド全体が厚くなったり濃く感じられたりする場合が多い。

対して急峻な「スロープ」が設定される場合には、ツイーターとミッドウーファーの両方から聴こえてくる音の量が減るので、サウンドがすっきりする傾向になりやすい。

どちらが良いかは一概には言い切れない。自分の好きな楽曲がよりぐっとくるサウンドに仕上がるのはどちらなのかを確認しながら、自分にとってのスタンダードを探していこう。

次回も「クロスオーバー」調整のまとめ方について説明していく。お楽しみに。

《太田祥三》

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