【ホンダ ZR-V 発売】異彩を放つデザインの「異彩」とは?

ホンダ ZR-V
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  • ホンダ ZR-V:パッケージ、運転姿勢イメージ
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  • ホンダ ZR-V:デジタル造形デザイン

ホンダは、新型SUV『ZR-V』(ゼットアールブイ)を4月21日に発売した。ZR-Vは、異彩を放つ存在感のある「デザイン」を特徴のひとつとして、開発された。そのために「GLAMOROUS × ELEGANT」をコンセプトに据え、デザインを開発した。

ここでの“異彩を放つ”とは、ホンダによると、ZR-Vに乗る人に自信と余裕をもたらし、ときには、自分さえも気づいていなかった個性までを輝かせること。デザイン開発は「異彩解放」を車として造形することだった。

開発目標は、パッケージでは、高いアイポイントに代表されるSUVの魅力を守りながらセダンライクな乗車姿勢。エクステリアデザインは、凜々しくも力強く、上質な色気さえ感じさせる都会的なスマートSUVの表現。そしてインテリアデザインは、運転のしやすさにつながる水平かつ左右対称を基調にした、美しく機能的な室内空間だ。

ホンダ ZR-Vホンダ ZR-V

◆セダンライクなSUVとは

デザインの基本はパッケージングだ。ZR-Vのパッケージデザインでめざしたものは、操る喜びを感じられる「セダンライクなSUV」だった。ZR-Vでは、ヒールポイント(かかと)とヒップポイント(腰)との高低差を小さくすることで、車とドライバーとの一体感を高めたドライビングポジションを意図した。

開発では「心を揺さぶる佇まい」、「美しい使い勝手」、「意のままに操る愉しさ」、といったエモーショナルな価値を追求したという。SUVの特徴である「高いアイポイント」、「余裕あるロードクリアランス」、「大径タイヤ」を取り入れながら、伸びやかさと力強さを兼ね備えた台形骨格とともに、上半身をゆったりとシートバックに預け、前方に伸ばした足でペダルをスムーズに踏み込める、セダンライクな運転姿勢を両立させた。

そのパッケージでエクステリアデザインがめざしたものは、「GLAMOROUS × ELEGANT」な世界観と、SUVらしい力強さを同時に表現することだった。“造形そのもので力強さを感じさせたい”との考えから、デザイナーは球体の持つ力強さに着目。前後に長い楕円体をモチーフに前端を切り落とすことで、流麗かつ均整の取れた造形を導き出そうとした。

その力強くグラマラスなプロポーションをベースに、台形スタンスと大径タイヤによって安定感を創出した。とくにリアビューでは、ボディの下まわりにボリュームを持たせるいっぽう、上に向かってなめらかに絞り込むことで、ワイドトレッドを強調した。

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◆視線移動時の「基調線」

「美しいデザインは機能から導かれる」。インテリアデザインの開発では、インダストリアルデザインの基本的考え方を中心に据えながら、「GLAMOROUS × ELEGANT」な空間づくりに取り組んだ。開発にあたっては「解放」と「凝縮」をキーワードに設定したという。

水平基調のインストルメントパネルなどによって開放的な空間を演出するいっぽう、細部にわたる部品の仕立ても機能的で緻密な仕上げとし、造形の美しさを訴求することで、“上質”が凝縮された室内空間をデザイナーはめざした。運転席と助手席の間に配置したハイデッキセンターコンソールは、各乗員に適度なパーソナル感を提供することがそのデザインの意図だ。

また、運転のしやすさに寄与する爽快な視界を徹底追及した。どういうことかというと、視線移動時の、「流れを乱さない」、「流れを切らない」、「挙動変化をつかみやすくする」という3つをポイントに、自車の向きや車両感覚を把握しやすい「基調線」をクルマの内外に用いるなど、運転のしやすさにつながる工夫を施した。

ホンダ ZR-V:デジタル造形デザインホンダ ZR-V:デジタル造形デザイン

◆波の模様はデジタル造形デザイン

美しさと使い勝手を両立させた多彩な収納スペースを用意し、ユーザーのさまざまなニーズに応えられるユーティリティの確保に努めた。荷室は床をなるべくフラットにし、サイドには波形の幾何学模様(洗濯板のような凹凸)を施して、統一感のある「デザイン性」と傷が目立ちにくい「機能性」とを兼ね備えた。パワーテールゲートは全タイプで標準装備だ。

波の模様はデジタル造形デザインによる。コンピューターの数値処理で、自然界にある波のような滑らかな幾何学模様を3D(立体)デザインとして作りだす、新しいデザイン手法だ。日本市場向けホンダ車では初めて採用された。デジタル造形デザインはドアポケットにも採用され、キャビンと荷室の統一感や左右対称のイメージを高め、乗り降りや荷物の出し入れによる傷を目立ちにくくする。

《高木啓》

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