外部パワーアンプ、使いやすさを取るなら「D級」!?[カーオーディオユニット AtoZ]

「D級パワーアンプ」の一例(プラグアンドプレイ・PLUG&PLAY POWER)。
  • 「D級パワーアンプ」の一例(プラグアンドプレイ・PLUG&PLAY POWER)。

カーオーディオシステムのバージョンアップをしようと考えている方々に向けて、それを実行に移そうとするときに役立つ「製品情報」をさまざま発信している当コーナー。現在は「外部パワーアンプ」について解説している。

さて、前回の記事にて「外部パワーアンプ」には「動作方式違い」があることを説明した。で、まずは「A級」と「AB級」の特徴を紹介したが、それに引き続いて今回は「D級」について解説していく。

ところで前回の記事でも言及したが、「動作方式」の名前に使われているアルファベットは優劣やグレードを表すものではなく、単なる名称だ。ちなみに「D級」は、「A級」「B級」「C級」と考案されその後に誕生したものなので、「D級」と名付けられている。

というわけなので、「D級」の「D」は「デジタル」の「D」はない。しかし「D級パワーアンプ」は、「デジタルアンプ」と呼ばれることも多い。

そうである理由は、仕組み的にはデジタル的であるからだ。ざっくり「D級」の仕組みを説明すると、以下のとおりだ。「スイッチング動作により信号をデジタル的に扱い、そのパルス幅を変調して増幅する方式」だ。かくして「D級」は、「A級」や「AB級」とは仕組みが大きく異なっている。

なので、特徴もガラリと異なる。まず、効率が良い。比較的に効率の良い「AB級」でも、増幅時に使う電力の約50%が熱に変わるが、「D級」は約10%しか熱に変わらない。よって、消費電力も少な目だ。そして大パワーを取り出しやすい。さらには、超小型化も効く。

でありながら、音質性能的にも優秀だ。かつては不利だとされていたこともあるが、今となってはそれは昔話だ。

ただ、超高級機はほとんどない。というのも「A級パワーアンプ」や「AB級パワーアンプ」はコスト(物量)を投じれば投じるほど高性能化していくが、「D級パワーアンプ」は案外そうでもない。そして、リーズナブルなモデルでも意外と音が良い場合が多い。つまり「D級パワーアンプ」は、コストパフォーマンスが高めだ。

なので、システムをコンパクトに仕上げたいとき、コスパ高く良い音を得たいとき、さらには消費電力をセーブしたいとき、「D級パワーアンプ」は利を放つ。

結局のところどれを選ぶかは試聴して見極めるしかなく、「動作方式の違い」で性能を推し量ることはできないが、上記のような特長を持つモデルを欲しいと思うときには、「D級パワーアンプ」にも目を向けよう。

今回は以上だ。次回以降も「外部パワーアンプ」の選び方や使い方を解説していく。お楽しみに。

《太田祥三》

【注目の記事】[PR]

編集部おすすめのニュース

特集