オートモーティブワールド2023では変革期を象徴するように、新たに誕生した会社の出展が多かった。日清紡マイクロデバイスもその一つと言えよう。
同社は元々日清紡が保有していた新日本無線と、2017年に株式譲渡を受けて傘下に組み込んだリコー電子デバイスを統合して、2022年1月に新たに発足した企業である。かつて繊維事業が中心だった日清紡のイメージは最早無く、売り上げの中心は無線だそうだから先端企業のイメージが強い。
そんな日清紡マイクロデバイスが展示していたのは、「NA1150」と名付けられたマイコン音声再生システム用オーディオアンプ(スイッチングドライバ)だ。これはゲーム業界で強みを持つCRIとのコラボで誕生したもの。
簡単にいうと出力1.2wのパワーアンプで、マイコンからのPWM信号をNA1150で受けてスピーカーから音を出すということなのだが、通常の場合だとPWM信号は本来NA1150との間にデジタルアナログコンバーター(DAC)、ローパスフィルター(LPF)、電子ボリューム(EVR)などを挟まなくてはならない。しかし今回CRIが開発したCRI D-Amp Driverというソフトウェアをマイコンに組み込むことで、DACやLPF、さらにはEVRがすべて不要になるのだという。