新しい年を迎えて10日余りが過ぎたが、昨年に引き続き、電気自動車(EV)の話題が尽きない。
きょうの各紙にもEV関連の記事がテンコ盛りで、読売は経済面のトップで「2022年の国内におけるEVの新車販売台数が、前年比2.7倍の5万8813台となった」と報じた。何でも乗用車全体に占めるEVの割合は1.7%となり、「年間で初めて1%台に達した」というのがニュースのようだ。
日経も同様に「新商品が相次ぎ国内のEV市場が広がり始めた」として「国内新車販売で統計をさかのぼれる09年以降、EV比率が過去最高」との見出し。だが、「EV比率が2割まで高まった中国などに比べて依然として出遅れている」とも。
また、日本自動車輸入組合の発表によると、昨年の外国メーカーのEVの新車輸入販売台数は、前年比66.6%増の1万4341台となり、初めて1万台を超えたという。毎日などが取り上げているが、その毎日は経済面のトップ記事として、EV世界2位の中国メーカーBYDが、日本市場にも今月末に参入することを改めて取り上げている。
このほか、各紙には、スズキが、2025年までにインドと欧州で発売する世界戦略車の第1弾となるEVの試作車『eVX』を、鈴木俊宏社長が主戦場のインドで発表。日経には、日産自動車と積水ハウスが、充電設備付きの集合住宅と日産のEVをセットで貸し出して、EVを使う日常生活を消費者に体験してもらう取り組みを始めることも伝えている。
アパートなどの集合住宅には充電設備がないことが多く、EV購入を控える原因となっており、充電環境が整った集合住宅の利便性とEVの魅力の両方を訴えそれぞれの購入を後押しするのが狙いという。
もっとも、日産は三菱自動車とともに、10年以上も前から業界に先駆けてEVの普及に積極的に取り組んできた。しかし、国内では時期尚早だったのだろうか、この間「笛吹けども踊らず」という、やりきれない思いも経験しており、その「失われた10年」を、これからどこまで巻き返せるのかも興味深い。

2023年1月12日付
●EV新車販売2.7倍、昨年国内初の1%超え、「軽」49倍 補助金で安く(読売・8面)
●スズキが試作EV公開、25年までに発売(読売・8面)
●USJ・大阪城・関空…万博の空飛ぶクルマ、離着陸場候補5カ所(朝日・1面)
●「N-BOX」2年ぶり首位、国内新車販売(朝日・6面)
●BYD日本に今月末参入、EV世界2位中国メーカー、航続距離・価格中間市場狙う(毎日・6面)
●22年の輸入EV初の1万台超え、前年比66%増(毎日・6面)
●JR東海社長に丹羽氏5年ぶり交代、リニア問題試練続く(産経・11面)
●マスク氏ギネス認定、個人資産損失24兆円(産経・11面)
●社説、車のソフト開発で先手を(日経・2面)
●日産と積水ハウス、集合住宅でEV体験、利便性訴え販促(日経・15面)
●ホンダ、中国で燃料電池車実験(日経・15面)