「トヨタ車純正ディスプレイオーディオ」の音を良くする方法…キーワードから読み解くカーオーディオ

「トヨタ・ヤリス」のインテリア。
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  • 「トヨタ車純正ディスプレイオーディオ」に「パワーアンプ内蔵DSP」を組み合わせてシステムアップした車両の一例(製作ショップ:サウンドワークス<千葉県<)。
  • 「トヨタ車純正ディスプレイオーディオ」に「パワーアンプ内蔵DSP」を組み合わせてシステムアップした車両の一例(製作ショップ:サウンドワークス<千葉県<)。
  • 「トヨタ車純正ディスプレイオーディオ」に「パワーアンプ内蔵DSP」を組み合わせてシステムアップした車両の一例(製作ショップ:サウンドワークス<千葉県<)。

カーオーディオでは専門用語が使われることが多い。そしてその存在がビギナーを困惑させがちだ。当連載はその解消を目指して展開している。今回は、「トヨタ車純正ディスプレイオーディオ」というワードにスポットを当て、この音を良くする方法を解説する。

◆「オーディオシステムを発展させにくい」理由とは

ここまで説明してきたとおり、「トヨタ車純正ディスプレイオーディオ」にはメリットがある。Apple CarPlayとandroidautoに対応するので、スマホアプリを車載機上で便利に使える。またそうであることにより車載機にナビメカを積まずに済み、オーディオ機能も簡略化できるのでコストダウンが図れる。その点でもユーザビリティが高い。

しかし、不満が出る場合もある。ポイントは3つある。1・「スマホナビアプリの使い心地」、2・「映像系コンテンツが楽しみにくいこと(Apple CarPlayとandroidautoはYouTube等の映像系アプリには非対応)、3・「オーディオシステムを発展させにくいこと」だ。

で、これまでは1と2の対処法を解説してきたので、今回は3について考えていく。まず「トヨタ車純正ディスプレイオーディオ」で「オーディオシステムを発展させにくい」その理由から説明していこう。理由は主に2つある。まず1つ目は「外部機器を導入しにくいから」だ。サウンドチューニング能力の高い市販メインユニットへと交換しようと思ってもそれがしづらく、外部音声出力も備わっていないので外部パワーアンプ等も繋げにくい。

「トヨタ車純正ディスプレイオーディオ」に「パワーアンプ内蔵DSP」を組み合わせてシステムアップした車両の一例(製作ショップ:サウンドワークス<千葉県<)。「トヨタ車純正ディスプレイオーディオ」に「パワーアンプ内蔵DSP」を組み合わせてシステムアップした車両の一例(製作ショップ:サウンドワークス<千葉県<)。

◆あらかじめ施されているチューニング設定が、交換したスピーカーにマッチしにくい!?

そして2つ目の理由は、「スピーカー交換をしても音が良くなりにくいから」だ。というのも「トヨタ車純正ディスプレイオーディオ」では、内部にサウンドチューニング機能が仕込まれていて、各スピーカーへと送られる音楽信号の「帯域分割」が設定されている(一部を除く)。そうであると、ドアスピーカーには中低音の信号だけが送られていてツイーターには高音の信号だけが送られている。そしてその設定は後から変更できない。

なのでスピーカーを市販品に交換しても、その「帯域分割」の設定が交換するスピーカーにマッチしにくい。なぜなら「帯域分割」のさせ方はスピーカーによって個々に設定するべきものだからだ。ゆえに交換したスピーカーの性能を、十分に引き出し切れない。

しかし、対処法はある。それは主には2つある。まず1つ目は、「市販メインユニットへの交換」だ。なおこれについては前回の記事にて詳しく解説したのでここではポイントだけをかいつまんで説明していく。

「トヨタ車純正ディスプレイオーディオ」は基本的に市販メインユニットへは交換しづらい(一部を除く)が、ある程度の改造を行えばできないことはない。ただしコストが結構かかる。なので交換を望むのであれば、まずは近くの「カーオーディオ・プロショップ」にて相談してみよう。そしてかかるコストより交換したい気持ちが上回れば、交換に踏み切ろう。

「トヨタ車純正ディスプレイオーディオ」に「パワーアンプ内蔵DSP」を組み合わせてシステムアップした車両の一例(製作ショップ:サウンドワークス<千葉県<)。「トヨタ車純正ディスプレイオーディオ」に「パワーアンプ内蔵DSP」を組み合わせてシステムアップした車両の一例(製作ショップ:サウンドワークス<千葉県<)。

◆「パワーアンプ内蔵DSP」を導入すれば、聴こえ方がガラリと変わる!?

そして対処法の2つ目は、「パワーアンプ内蔵DSPを導入する」というものだ。お薦め度はこちらの方が高い。メインユニット交換に比べてコストがかかりにくい場合が多く、発展性もより大きいからだ。

ではこれがどのようなものなのかを詳しく説明していこう。まず「パワーアンプ内蔵DSP」とは、サウンドチューニング機能を搭載した「DSP(デジタル・シグナル・プロセッサー)」とパワーアンプとが一体化したユニットだ。で、「トヨタ車純正ディスプレイオーディオ」のスピーカー出力をこれに接続すると(コツがいくつかあり簡単ではないのだが…)、これにてある程度サウンドチューニングをし直せるようになる。結果、スピーカーが純正のままでも聴こえ方が改善する。またスピーカーを市販品へと交換した場合には、それに対してベストな調整を行える。

加えて「パワーアンプ内蔵DSP」にスマホ等を接続すると、カーオーディオシステムの最上流からスピーカーの手前までを別系統のシステムへと置き換えられるので、音質面でもコントロール面でもガラリと音が良くなる。

なお昨今は、リーズナブルな「パワーアンプ内蔵DSP」が増えている。10万円しないモデルも少なくないので、メインユニット交換よりもコストがかからない場合が多い。

ところでこの作戦の実行は、「カーオーディオ・プロショップ」にて行おう。「パワーアンプ内蔵DSP」の設置は簡単ではなく、サウンドチューニングはさらに難しいからだ。

今回は以上だ。次回以降もカーオーディオにて使われる専門用語の解説を続行する。お楽しみに。

《太田祥三》

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