ホンダ、自動運転車「クルーズ・オリジン」での事業開始のスケジュールを公開…SIP自動運転実証実験プロジェクト

「SIP自動運転実証実験プロジェクト」展示・試乗会に出展した実験車両「クルーズAV」
  • 「SIP自動運転実証実験プロジェクト」展示・試乗会に出展した実験車両「クルーズAV」
  • 「クルーズ・オリジン」の事業開始までのスケジュール
  • クルーズ・オリジン
  • クルーズ・オリジンの仕様
  • 日本仕様のクルーズ・オリジンはすでに試作車が仕上がっている
  • 実験車両「クルーズAV」
  • クルーズAVのルーフには5つの360度LiDARのほか、多数のカメラも組み合わせるシステムが搭載されていた
  • 左右のミラーの上にもカメラなどセンサーを搭載。代わりにサイドミラーが追加されていた

ホンダは東京・お台場地区で開催された「SIP自動運転実証実験プロジェクト」の展示・試乗会」(9月29日~10月1日開催)に参加し、2020年代半ばにレベル4での営業運転を目指す「クルーズ・オリジン」の概要を説明した。併せてその前段階の実験車両『クルーズAV』も日本初公開した。

この事業は、ホンダの自動運転モビリティサービス事業を担当するために2020年2月18日に設立されたホンダモビリティソリューションズ(HMS)が担当する。一方、クルーズ・オリジンは事業パートナー「クルーズ」が提供する自動運転専用車両で、この開発にはホンダも出資した上で参画。他にもマイクロソフトやウォルマート、ソフトバンクも出資に加わっている。9月29日には日本仕様試作車のテスト走行が米国でスタートしたことも明らかにされた。

クルーズ・オリジンはレベル4の自動運転に対応する車両となっており、6名が乗車でき、車両には運転席もない。もちろん、ハンドルやアクセル、ブレーキもない。発表によれば、運転席をなくした上に低床プラットフォームを採用したことで、広い室内空間と、乗員の乗り降りしやさも実現できているという。また、量産車としては世界初(ホンダ調べ)となる左右両側の両開きスライドドアを採用しているのも大きなポイントとなる。また、HMSによれば、自動運転走行する際は基本的に遠隔操作で管理されるということだ。

SIP自動運転実証実験プロジェクトの展示・試乗会で紹介されたのは、このクルーズ・オリジンを使ったモビリティサービスのスケジュールだ。

それによると、今は自動運転で走行させるための高精度マップ用データを独自に収集し、栃木県宇都宮市のテストコース内で技術検証を行っている最中。2022年中には宇都宮市内の公道(一般道)において、GMの『ボルトEV』をベースにした試験車両『クルーズAV』で実証実験をスタートさせる。続いて2020年代半ば以前には実証実験の場を東京都心に場所を移し、さらなる安全検証を行う予定だ。そして、一定の安全が確認できたところで2022年代中頃には、いよいよクルーズ・オリジンを使った自動運転(レベル4)での営業運転を公道(一般道のみ)で開始するという流れだ。

HMSの鈴木紘一氏によれば、現時点で事業開始時の投入台数は未定。仮に複数台数投入する際はそのリモートが難しくなるため、そういった検証も必要になるという。想定される走行時の最高速度は、現在、米国サンフランシスコでテスト走行しているものに倣い、一般道を25マイル(およそ40km/h)で走行することになる見込み。また、クルーズ・オリジンはグローバル仕様ではあるが、国によって道路環境も異なるわけで、HMSとしては日本向けに仕様をローカライズするのも重要な役割になっているとも話した。

なお、今回の「SIP自動運転実証実験プロジェクト」の展示・試乗会では、ホンダが世界で初めてレベル3の自動運転を実現した「Honda SENSING Elite」搭載の「レジェンド」での試乗も実施されていた。

《会田肇》

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