首都圏などでマイカーを持たない、イヤイヤ、持てない大きな理由として、駐車場代がバカ高いことが指摘されている。車庫借料が全国で最も高い東京23区の場合は月極の平均で2万6494円、県庁所在地で最も安い富山市が5833円で、地域差は4.5倍にも及ぶそうだ。
都道府県別の物価差を示した総務省の2021年消費者物価地域差指数などの調査で明らかになったもので、きょうの日経が「都道府県ランキング 物価編 交通・通信費」として取り上げている。
それによると、物価を構成する10大費目のうち、鉄道運賃やバス代、ガソリン、通信料など交通・通信が最も高いのは東京都で、興味深いのは月極め駐車料金などをさして地域差の大きい「車庫借料」が順位を左右しており、マンション建設時などの駐車場の設置数の差が影響しているという。
国が上限を定めてきた鉄道運賃のほか、通信料や信書送達料(切手代など)には大きな地域差がなく、値動きの激しいガソリンでも地域差は1.2倍にすぎず、車庫借料の地域差が際立つようだ。
車庫借料は住宅地価と連動するのに加え、駐車場の供給量の多寡も影響するという。住宅地価が最も高い東京都や、続いて高い神奈川県、大阪府、京都府などで車庫借料が高いのは当然だが、愛知県も住宅地価は7番目に高い。にもかかわらず名古屋市の車庫借料が6833円と県庁所在地別で37位になるのは、駐車場の供給が潤沢なためとみられる。
加えて、名古屋市以外の愛知県内はさらに車庫借料が安く、愛知県岡崎市は4633円と、県庁所在地で最も安い富山市より低い水準。「愛知県は自動車産業のお膝元で名古屋市中心部以外は自家用車での通勤が当たり前。駐車場がないとマンションも買い手がつかない」などと、不動産専門家のコメントも紹介。トヨタ自動車のお膝元の愛知県全体でみると交通・通信の物価が全国で最も安いとも伝えている。
「550万人の雇用を維持し、より良い社会づくりのペースメーカーとしての役割を果たす」(豊田章男・自工会会長)などと、日本経済をリードする基幹産業が集積する愛知県が、交通・通信費などの消費者物価指数が全国最低というのは、春闘での「賃上げ」に対する“意気込み”にも影響を与えそうだ。
2022年9月6日付
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●駐車場代、設置数で地域差、23区、富山市の4.5倍(日経・35面)