ホンダ・マツダ・三菱自動車の労組、2年ぶりベア要求を復活[新聞ウォッチ]

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新型コロナウイルスの新規感染者数が、全国的に減少の動きが見られるようになって、きょうの読売が1面トップで「第6波ピーク越す」とも報じている。一方、80歳代以上のほか、重症者数や死亡者数の増加は続いており、当面は、多くの地域で医療提供体制のひっ迫が続く可能性があるとも伝えている。

ピークを越すどころか、これから労使交渉が本格化するのが2022年の春闘である。自動車大手の労働組合などが賃上げや待遇の改善を求める今年の春闘の要求書を一斉に経営側に提出しており、きょうの各紙も大きく取り上げている。

それによると、自動車大手では昨年の2021年は、基本給を一律に引き上げるベースアップ(ベア)要求の見送りや前年割れの要求が相次いだが、今年はホンダやマツタ、三菱自動車の労組が2年ぶりにベア要求を復活。日産自動車とダイハツ工業はベア相当分を開示していないが、賃上げ要求額を前年より増やしたという。

各紙の見出しも、読売は「車大手労組、業績上向き踏まえベア要求復活の動き」。毎日も「引き上げ要求提出」としているほか、産経は経済面のトップ記事で「車労組ベア要求相次ぐ、ホンダ・マツダ・三菱2年ぶり」などと報じている。

また、朝日は総合面で「ニッポンの給料」とのタイトルで、自動車大手のほかにも鉄鋼や造船、鉄道、航空連合などの要求状況を取り上げたほか、経済面ではトヨタ自動車系の全トヨタ労働組合連合会が会社側に提出した要求書を中心に伝えている。それによると、加盟組合ごとの課題解決を促すため、昨年から基本給を底上げするベアの目安額の提示は見送り、今年からは、働き方や福利厚生なども含めた総額で要求する方式に転換。要求額はトヨタ労組を除く全組合員平均が6170円だという。

また、トヨタ労組については、全組合員平均での要求方式を廃止し、12種類(1600~4900円)の職種や階級に応じた賃上げ額を要求。年間一時金は満額回答を獲得した21年の要求を0.9ヶ月上回る6.9ヶ月分を要求したという。

他人の懐具合をあれこれと言うつもりもないが、トヨタの組合要求は複雑で外野席からは分かりにくいため、岸田首相が掲げる「3%賃上げ」要請にどこまで応えられるのがどうかも曖昧になりそうだ。しかも、日本特有の年功序列、終身雇用などの労働慣行をほとんど変えないままで、職種別、階級別にシフトすることはリスクも大きいだろう。

2022年2月17日付

●第6波ピーク越す、全国感染者前週の0.9倍、厚労省助言機関(読売・1面)

独BMW新EV発売(読売・6面)

●トヨタ、EVもサブスク、「KINTO」PHVも投入検討(読売・6面)

ガソリン6週連続値上がり(読売・7面)

●ニッポンの給料、春闘要求製造業は強気、航空連合は「コロナ前の水準に」(朝日・3面)

●全トヨタ労連、要求書、福利厚生含め総額方式に平均6170円(朝日・9面)

●韓国・現代自日本再参入の勝算は、電動車特化・オンライン販売に活路(産経・10面)

マレリに1000億円支援、みずほなどつなぎ融資検討(産経・11面)

●ベンツ1万台超リコール(産経・26面)

●鉄道運賃大幅見直しへ、国交省安全対策で値上げも(東京・3面)

●ガソリン補助効果限定的、石油備蓄放出拡大案も(日経・5面)

●JAL国内線システム障害、一時、遅延も(日経・43面)

《福田俊之》

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