日野、コロナ前の利益水準を回復…海外販売好調 2021年4-12月期決算

ダカールラリーを完走した日野600シリーズ
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日野自動車が1月31日に発表した2022年3月期第3四半期(4~12月期)連結決算は、海外市場およびトヨタ向けの販売が伸びたことに構造改革の効果も加わり、営業利益が498億円と、コロナ前の2020年第3四半期水準を上回った。

2021年第3四半期の営業損益は9億9600万円の赤字、2020年第3四半期は482億円の黒字だった。日野の久田一郎取締役・専務役員は同日のオンラインを通じた決算説明会で「市場の回復による販売台数の増加に加え、構造改革を着実に進めた結果、大幅な増益となった。19年度比でも営業利益は増益となり、利益率も改善した」と述べた。

その上で「競争力強化に向けた原価低減の活動の促進、働き方改革等により固定費の効率化を推進し、収益を確保することができた。販売台数の増加に加え、国内外ともにトータルサポート収益も確保し、稼ぐ力の強化を確実に実施してきた」と総括した。

日野の日本国内でのトラック、バスの販売台数は市場低迷や部品供給制約で前年同期比0.6%増の4万2679台と、ほぼ横ばいだったが、トヨタ向けは同33.3%増の10万5059台と大きく伸長。また日本からの輸出も増加した。海外販売は前年同期比20.3%増の7万3174台だった。

海外の状況に関して久田専務は「アジアはとくにタイ、インドネシアの販売増により増収増益となった。その他の地域は、北米の販売減により赤字が継続している」と説明。

一方、通期見通しについては「為替円安および固定費の低減といった上振れ要素はあるものの、部品供給不足に伴う工場稼働ロスも見込まれるために販売台数、収益とも中間公表値を据え置く」とした。

足元の部品供給の課題への対応では「生産面では仕入れ先を含めたロスの無い稼働体制の構築、販売面ではお客様に1台でも多く車両をお約束通りお届けできるように販売会社と一体となって取り組んでいく」と久田専務は話していた。

《小松哲也》

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