メルセデスベンツ、次世代EV『ヴィジョンEQXX』発表へ…CES 2022

航続はおよそ1000kmを想定

EVの航続を延ばす全固体電池を共同開発

メルセデスベンツ史上最も効率に優れる

メルセデスベンツ・ヴィジョンEQXXのティザー写真
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メルセデスベンツは12月15日、米国ラスベガスで2022年1月3日に開幕するCES 2022において、コンセプトカーの『ヴィジョンEQXX』(Mercedes-Benz Vision EQXX)をワールドプレミアすると発表した。

◆航続はおよそ1000kmを想定

ヴィジョンEQXXは、メルセデスベンツの次世代EV開発におけるエキサイティングな次のステップになる。その目的は、驚異的な効率と航続を備えた次世代EVを開発することにあるという。ヴィジョンEQXXの航続については、およそ1000kmを想定している。

ドイツ・シュトゥットガルトに拠点を置くメルセデスベンツの部門を超えたエンジニアリングチームが、EVの航続と効率の限界を押し上げることを目指す。この取り組みは、英国のメルセデスベンツF1 HPPグループのサポートを受ける。

また、メルセデスベンツは、次世代モーターの「eMotors」の開発に、モータースポーツ技術に匹敵する開発スピードを導入していく。ヴィジョンEQXXはテクノロジープログラムだが、量産車に早期に搭載されるイノベーションをもたらすことが期待されているという。

◆EVの航続を延ばす全固体電池を共同開発

メルセデスベンツは2022~2026年、電動化、デジタル化、自動運転などの分野に総額600億ユーロを投資する。メルセデスベンツは、2025年以降に発表する次世代車台を、すべてEV専用にする計画だ。そして、市場の状況が許せば、2030年から販売する全モデルをEVにするために、準備していく。

EVの航続を延ばすテクノロジーのひとつとして、注目されているのが、全固体電池だ。メルセデスベンツは次世代EV向けの全固体電池技術を、Factorial Energy社と共同開発する。早ければ2022年にも、プロトタイプセルをテストする計画だ。

全固体電池は、リチウムイオン電池に使用されている液体電解質の代わりに、固体素材で作られた電解質を使用する。固体電解質は、バッテリーの安全性を高めるだけでなく、リチウム金属アノードなどの新しいアノードの使用を可能にする。全固体電池は、リチウムイオン電池と比較して、約2倍のエネルギー密度を持つ。これにより、航続の拡大や充電時間の短縮を可能にする。

◆メルセデスベンツ史上最も効率に優れる

ソフトウェアで定義された研究プロトタイプ車両のヴィジョン EQXXは、メルセデスベンツ史上、最も効率に優れるいう。ヴィジョン EQXXは、EVと自動運転車向けソフトウェアの分野において、メルセデスベンツが世界をリードするという目標も具現化する、と自負する。

メルセデスベンツの社内の各部門の枠を超えた開発チームは、ヴィジョンEQXXを記録的な速さで完成させた。メルセデスベンツのオラ・ケレニウスCEO、マルクス・シェーファーCOO(最高執行責任者)、ゴードン・ワグナーチーフデザインオフィサーが、ヴィジョンEQXXの早期完成を可能にしたパイオニア精神と卓越したチームワークについて、CES2022で説明する予定だ。その後、 2022年1月5~8日まで、ヴィジョンEQXXは、ラスベガスのCES 2022会場のメルセデスベンツのブースのハイライトとして、展示されるという。

ヴィジョンEQXXは、技術的な壁を打ち破り、エネルギー効率を新たな高みに引き上げることを目的とした広範囲にわたるメルセデスベンツの技術プログラムの一部だ。これには、最新の電動パワートレインの進化と、軽量エンジニアリング、持続可能な素材の使用が含まれている。高度なソフトウェアを備えたヴィジョンEQXXにより、メルセデスベンツは効率面での新たな革新を探求する、としている。

《森脇稔》

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