短編成の設置免除も…義務化される車内防犯カメラの設置基準や費用負担を検討へ

事件のあった京王線(10月31日)
  • 事件のあった京王線(10月31日)
  • JR東海が2022年3月に投入する新型通勤型電車315系には、1両あたり5カ所に車内防犯カメラ(左)が、1両あたり3カ所に非常通話装置(右)が設けられる。今後、車両新製時や大規模改修時には車内防犯カメラの設置が義務化される模様だが、経営基盤が脆弱な鉄道事業者に対しては状況による設置免除や支援が検討される。

斉藤鉄夫国土交通大臣は12月3日に開かれた定例会見で、京王線での車内傷害事件を受けて同日に取りまとめられた今後の対策について記者の質問に答えた。

今回の対策では、今後新製される車両や大規模改修される車両に対して車内防犯カメラを取り付けることが挙げられているが、その設置基準や費用負担が問われた。

これについて斉藤大臣は、設置の義務化を検討していくものの、鉄道事業者の経営状況を考慮して、カメラがない場合でも車内の様子を容易に見通せる短編成車両については対象から除外することなどを検討していきたいと述べた。

費用負担については、経営基盤が弱い95の鉄道事業者に対して、11月26日に閣議決定された補正予算案で講じられた「地域公共交通事業者に対する情報化・データ化支援」に基づき、カメラ導入の支援を行なうとしている。

一方、カメラの導入がある程度進んでいる都市部の鉄道事業者に対しては、経営基盤や設置状況を踏まえて「識者や専門家も加えた検討会等の場を活用して、鉄道事業者との議論を進めていきたいと考えています」と述べている。

《佐藤正樹(キハユニ工房)》

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