【トヨタ カローラクロス 新型試乗】55年の歴史で初のSUVも「実用車の王道」だった…島崎七生人

トヨタ カローラクロス Z ガソリン2WD
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COROLLA MEETS SUV……『カローラ』55年の歴史上、意外なことに“初SUV”となる『カローラクロス』。昨年7月、タイでのワールドプレミアを皮切りに、各国へ展開を開始し、この7月、いよいよ日本にもお目見えした。

エクステリア&インテリア

さすが!と思わせられたのは、外観をしっかりと造り分けている点だ。タイ仕様と較べるとフロントマスク、前後バンパー(やアンダーガード風処理)、ランプ類が日本仕様はデザインが異なる(“Z”とそれ以外のグレードではランプの意匠などが異なる)。フロントは台形モチーフの大開口部を少し下に下ろし、都会的な雰囲気に仕立てたといったところか。全体のスタイルは直線基調の『RAV4』より幾分か線が柔らかく、バランスのいいフォルムで筆者はより好感をもった。

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インテリアは基本は『カローラ』のそれ。ただしインパネのアッパーフェイシアを始め、センターコンソールなどは専用デザインだ。9インチディスプレイオーディオ(メーカーオプション)は、セダン、ツーリングで最初に見た時は巨大さに圧倒されたが、もう違和感はなく、人の感覚とはつくづく柔軟(勝手?)なものだと思う。試乗車にはオプションのパノラマルーフがサラリと装着されていたが、この開放感はなかなかのものだ。

実用車カローラの王道ぶりを実感

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さて今回は、撮影をしながら数日間の試乗となったが、素直に実感できたのは“実用車カローラの王道ぶり”だった。とりわけ室内、ラゲッジスペースの言い訳なしの広さ、使い勝手のよさは、改めて見直したほど。前後席は一見するとプレーンだが、運転席には電動パワーシートヒーターが備わり、前2席にはシートヒーターも備わる。後席はシートサイズ自体タップリしており、着座感もゆったりしたもので、2段ノッチだがリクライニングもさせられる。

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それとラゲッジスペースは5名乗車時で487リットルの容量が確保されており、床面は潔く掘り込まれた高さ(低さ)。勢い、標準状態では後席を倒すと、後席背もたれの厚み分、床面と大きな段差が生じるが、近くオプションで“ラゲージ活用セット”が用意されるようで、これを利用すればフラットなスペースが作り出せ、その状態でボードの下側も2段に分けて使うことができる。

欧州ライバル車と同様の接地感の高さ

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『カローラクロス』そのものの素性をいち早く確かめたく、今回の試乗車は1.8リットルのガソリン車としたが、走らせた印象はクセのない、安定感と軽快さがほどよくバランスしたもの、だった。動力性能は通常でも過不足ないが、PWRスイッチで特性を切り替えることでパワーフィールに切れ味が増す。リヤがトーションビームのサスペンションは、同様の形式の欧州ライバル車と同様の接地感の高さを実感する。

“+αの思想”は、昭和41年に登場した初代『カローラ』以来のいわば伝統。初代では当時の大衆車にスポーティな4段フロアシフト、バケット型セパレートシート、丸型メーター、曲面ガラスのセミファストバックスタイルなどを採り入れ、ユーザーの心を掴んだ。初代から55年を経て『カローラクロス』は、SUVという新たな+αの価値をユーザーに提供する実用車として誕生した。

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■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★★

島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト
1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。

《島崎七生人》

島崎七生人

島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト 1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。

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