ハーレーダビッドソンが高いシェアを維持していたクルーザーセグメントに、BMW Motorradがいよいよ本腰を入れて乗り出してきた。
新型モデル『R18B(アール・エイティーン・ビー)』『R18 Transcontinental(アール・エイティーン・トランスコンチネンタル)』の報道向け発表/試乗会がドイツ・フランクフルトにて開催され、その発表会でマルクス・シュラム上級副社長(BMW Motorrad代表)は「プレミアムモーターサイクル市場で世界ナンバーワンを目指す」と発表。
今夏には世界一のクルーザーイベント「スタージスラリー」(米国サウスダコタ州2021年8月)で両モデルを披露し、アメリカのファンらにも猛アピールしてきた。
世界的に販売台数が伸長する同社は、新型電動スクーター『CE 04』の実車をミュンヘン「IAAモビリティ2021」(9月7日~12日)で初公開するなど、オール電化のアーバンモビリティを推進する一方で、こうした大排気量の本格派クルーザーも新発売する。
クルーザー向けにエンジン・シャシーを新開発
『R18B』および『R18トランスコンチネンタル』の心臓部は同社が1923年にモーターサイクルを生産を開始して以来、史上最大となる排気量1801ccのOHV水平対向2気筒エンジン。最高出力は67kW(91ps)/4,750rpmを発生し、2,000~4,000rpmのエンジン回転域で常に150Nm以上のトルクを発揮するなど、クルーザーモデルのために新開発されたパワーユニットだ。
車体はまだリヤサスペンションが備わっていなかった時代のモデル=1936年の『R5』をお手本に、伝統を感じさせるクラシックテイストをふんだんに盛り込んだ。精巧にデザインされたダブルループ鋼管フレーム、露出したオープンドライブシャフト、密閉型アクスルドライブを備えたリジッドフレーム・デザインのリヤスイングアームなどアメリカンクルーザーを好むファンが目の色を変える内容のものばかり。
大型フェアリングやハードサドルケース、容量24リットルの燃料タンクなどを備え、長距離走行に理想的なモデルとしている。
また、納車開始を10月頃に予定している日本仕様では「アクティブ・クルーズ・コントロール(ACC)」が標準装備となるなど、先進電子制御技術もより充実させている。
走ればエモーショナルな気持ちに!
マルクス・シュラム上級副社長(BMW Motorrad代表)
マルクス・シュラム氏は発表会でさらにこう言う。
「個人的な意見として、このエンジンを始動させると、最高の喜びを感じ、エモーショナルな気持ちになります」
絶対的な速さやスペックではなく、クルーザーセグメントで成功にするには何が必要か。BMW Motorradは徹底追求し、開発してきた。