[カーオーディオ ブランド名鑑2021]カロッツェリアの歴史と逸品…スピーカーラインナップ・完全ガイド付き

人気カーエレクトロニクスブランドの1つ、「カロッツェリア」。当記事では、この国産実力ブランドがこれまでに成し得たこと、世に送り出した逸品の数々、そしてスピーカーの現行ラインナップまでを一気に紹介していく。カーオーディオに興味を持つ貴方は、要熟読。


目次



  1. 1970年代後半から80年代にかけて、“カーステレオ”のブームを創出!

  2. 世界初となる市販GPSカーナビを発売し、以後カーナビ市場もけん引!

  3. 「カロッツェリアX」シリーズで、ハイエンドカーオーディオシーンもリード!

  4. エントリー機からハイエンドモデルまで、多彩にスピーカーを用意!


  5. 「カロッツェリア・スピーカー」のラインナップを、完全ガイド!

  6. まとめ


1970年代後半から80年代にかけて、“カーステレオ”のブームを創出!

「カロッツェリア」は、1986年に「パイオニア」によって立ち上げられたカーエレクトロニクス機器の専門ブランドだ。

ちなみに「パイオニア」は、その10年ほど前から車載機器市場に参入している。1975年にいち早く、カセットデッキとパワーアンプが別体となったカーコンポーネントステレオを市場に投入し、その後すぐにカーステレオブランド「ロンサムカーボーイ」を立ち上げた。そして同ブランドの各製品は次々にヒットする。こうして世の中に、“カーステレオ”のブームを巻き起こす。

そしてその「ロンサムカーボーイ」から名称を変更する形で、「カロッツェリア」は誕生した

世界初となる市販GPSカーナビを発売し、以後カーナビ市場もけん引!


カロッツェリア・AVIC-CQ911-DC

カーナビとカーオーディオの一体化に取り組み、持てる技術をさまざま注入!

そして「カロッツェリア」は、1990年に車載機器の歴史に金字塔を打ち立てる。世界で初めて市販GPSカーナビゲーションを世に出したのだ。そして同社は以後、カーナビ市場のけん引役も果たしてきた。

ちなみに同社が1990年に初めて発表したモデルの名は、『AVIC-1』。ご存知のとおり「カロッツェリア」のカーナビは今もすべて、品番の頭に“AVIC”の4文字が付けられている。それは第1号機から受け継がれているものなのだ。

その後「カロッツェリア」はカーナビとカーオーディオの一体化に取り組み、同社の持つさまざまな技術・ノウハウをカーナビに注入し製品を進化させていく。

そして1997年には初代の『サイバーナビ』を、翌年には『楽ナビ』を発表し、以後もこの2シリーズを軸に話題作を次々に生み出し続けた。

自車位置精度の高さとルート探索・案内の的確さにも、強いこだわりを発揮!

ところで「カロッツェリア」は、高いスペシャリティを有するカーナビを多々開発してきたが、それと同時に基本性能を磨き上げることにも積極的に取り組んできた。特に、自車位置精度の高さとルート探索・案内が的確であることに、強いこだわりを発揮してきた。

例えば「10Hz測位」という1秒間に10回自車位置の測定を行う機能や、上下、左右、回転方向のそれぞれの加速度・角速度の6軸を検知する「6軸3Dハイブリッドセンサー」といった機能を開発し、高い自車位置精度を実現している。結果、「カロッツェリア」ナビの全機種が、立体駐車場やトンネル、高架下等々、自車位置をロストしがちな局面でも正確に今いる場所をトレースし続ける。

また「カロッツェリア」は、2007年より「スマートループ」という仕組みの運用も開始した。これは「カロッツェリア」ナビのユーザー同士で情報を共有し合うというもので、これにより各ユーザーは約70万kmにおよぶ全道路のリアルタイム渋滞情報等を活用できる。

なお「スマートループ」の渋滞情報は現在、ケンウッドや三菱電機といった他社ナビのユーザーでも利用でき、さらにはVICSセンターに提供されるまでにもなっている。

「カロッツェリアX」シリーズで、ハイエンドカーオーディオシーンもリード!


カロッツェリア・RS-D7XIII

光デジタル伝送により、電気的ノイズの影響を排除!

「カロッツェリア」は、ハイエンドカーオーディオの分野でもトップを走り続けてきた。その象徴的な存在がご存知、『カロッツェリアX』だ。当シリーズの初代モデルは、1993年に発売された。

なお『カロッツェリアX』には、それまでのカーオーディオの常識を覆す2つの特長が備えられていた。1つは「音楽信号を光デジタル伝送すること」で、もう1つは「デジタルチューニングを行えること」だ。

それぞれがどのような利点を発揮したのかを具体的に説明していこう。まず前者では、「電気的なノイズの影響を抑制できる」という利点を示した。というのもクルマは、ノイズの原因となる要素をさまざま抱えている。オルタネーター、ワイパー、ウインカー、パワーウインドウ等々、これらが作動することで発生する電気的なノイズの影響を受けがちなのだ。

しかし音楽信号を光デジタル伝送すると、これら電気的なノイズの影響をかなり抑制できるのだ。

デジタルチューニング技術で、ステレオの再現性を格段に向上!

そして「デジタルチューニングを行えること」により『カロッツェリアX』は、カーオーディオの可能性をさらに高めることに成功する。

ちなみに、『カロッツェリアX』にてデジタルチューニングできる機能は主に3つある。「クロスオーバー」「イコライザー」「タイムアライメント」、この3機能だ。なお、「クロスオーバー」と「イコライザー」はそれ以前にもアナログタイプのプロセッサーに積まれていたが、「タイムアライメント」だけはデジタルプロセッサーだからこそ可能となった新しい機能だ。そして当機能は、ハイエンドカーオーディオの世界に革新をもたらす

その理由は以下のとおりだ。クルマの中ではリスニングポジションが左右のどちらかに片寄るので、ステレオイメージを感じ取りにくい。なので『カロッツェリアX』が登場する前までは、ツイーターをキックパネルに取り付ける等の物理的なチューニングを施すことでそのビハインドに対処してきた。そうすることで、左右のスピーカーの距離差を減らすことができたのだ。しかし「タイムアライメント」を活用すると、そのような工夫を施さなくてもいい。近くにあるスピーカーの発音タイミングを遅らせられるので、各スピーカーから等距離の場所にいるかのような状態を擬似的に作り出せるのだ。

ハイエンドカーオーディオの世界では今や、デジタルチューニングが当たり前になっている。その流れを作ったのは、『カロッツェリアX』だったのだ。

エントリー機からハイエンドモデルまで、多彩にスピーカーをラインナップ!


カロッツェリア・TS-F1740S

ところで「パイオニア」は、かつてのオーディオブームの頃には“オーディオ御三家”と称され人気を博した。なお当時は特に、スピーカーに強みを発揮した。そしてその技術は、「カロッツェリア」でもいかんなく発揮されてきた。

事実「カロッツェリア」は、エントリー機からハイエンドスピーカーに至るまで常に幅広くスピーカーをラインナップさせてきた。品揃えの厚さは国産ブランドの中で随一だ。そしてその中でもフラッグシップラインとなる『RSシリーズ』は、ハイエンドカーオーディオシーンの中で特別な存在であり続けてきた。

2000年代に入った以降の「カロッツェリア」のハイエンドスピーカーの歴史を振り返ってみよう。まず2002年に『1RSシリーズ』が登場する。なお当シリーズには、ツイーター、ミッドウーファー、サブウーファー、2ウェイパッシブクロスオーバーネットワークの計4アイテムがラインナップしていた。そして2004年には、スコーカーもそこに加わる。

次いで2006年には、その弟分ともいうべき『10RSシリーズ』がリリースされ、その翌年には『1RSシリーズ』は『1RSllシリーズ』へと進化を遂げる。

そしてその後に登場するのが、現行モデルの『1000RSシリーズ』だ。当シリーズは2011年の秋に発売されている。以来当シリーズの各ユニットは、カーオーディオマニアの間での定番スピーカーとしてロングセラーを続けている

「カロッツェリア・スピーカー」のラインナップを、完全ガイド!

『カスタムフィットスピーカー』


カロッツェリア・TS-V173S

ここからは、「カロッツェリア」の現行スピーカーの全容を紹介していく。まずはこちら、『カスタムフィットスピーカー』から。「カロッツェリア」はエントリーグレードからミドルグレードまでのスピーカーを、『カスタムフィットスピーカー』として手厚くラインナップしている。

なお『カスタムフィットスピーカー』とは、取り付け性が高いことも特長としたシリーズだ。内容はモデルにより異なるが、取り付け用のブラケットを各自動車メーカーごとで付属していたり製品をコンパクトに仕上げたりして、それを実現させている。

現状は3ライン展開となっている。下から『Fシリーズ』、『Cシリーズ』、『Vシリーズ』の3つがあり、『Vシリーズ』以外はセパレートスピーカーとコアキシャルスピーカーの両方をサイズ違いで用意する。

『PRSスピーカー』


カロッツェリア・TS-Z172PRS

「カロッツェリア」は、ハイエンドスピーカーを2ライン擁している。そのうちのスタンダードラインとなるのが、この『PRSスピーカー』だ。

当シリーズには現在、計6アイテムが名を連ねている。中でも最注目なのは、2020年の夏に登場して話題をさらった『TS-Z900PRS』(税抜価格:12万8000円)だ。当機は3ウェイシステムだが、ツイーターとミッドレンジは一体化している。というのも、「パイオニア」の高級オーディオブランド『TAD(タッド)』のコアテクノロジーである「CSTドライバー」が採用されているのだ。これにより、高音と中音の“点音源再生”が可能となり、ステレオイメージをより正確に再現できる。

なお『PRSスピーカー』にはさらに、『TS-Z900PRS』の「CSTドライバー」とネットワークとのセット、17cmセパレート2ウェイスピーカー、13cmセパレート2ウェイスピーカー、そしてミッドレンジスピーカー(ペア)とサブウーファー(単品)とがラインナップしている。

『1000RSシリーズ』


カロッツェリア・TS-Z1000RS

続いて『1000RSシリーズ』を紹介しよう。当シリーズには、17cmセパレート2ウェイの『TS-Z1000RS』(税抜価格:28万円)、6.6cmミッドレンジの『TS-S1000RS』(税抜価格:12万円)、そして25cmサブウーファーの『TS-W1000RS』(税抜価格:12万円)の3製品が名を連ねる。

当シリーズでは特に原音に忠実な再生と空間描写力の向上が目指されていて、それを実現すべくツイーターでは、低域側の再生限界の拡大が図られた3.0cmデュアルアークリングダイヤフラムや、不要共振を排除する亜鉛ダイキャスト、正確で高効率な駆動を可能とする高性能磁気回路等がおごられている。

そしてミッドウーファーには、正確な再生を実現する一体型二層構造クロスカーボン振動板、広帯域にわたり優れた駆動力を発揮する高性能磁気回路、伝達ロスを低減する金メッキ真鍮製削り出しブロック端子等々が採用されている。

ピュアでナチュラル、そして正確なサウンドを奏でるハイグレードスピーカーを探しているのなら、『1000RSシリーズ』のサウンドもチェックすべきだ。

サブウーファー


カロッツェリア・TS-WX70DA

「カロッツェリア」は、『RSスピーカー』と『PRSスピーカー』にそれぞれ1機種ずつユニットサブウーファーをラインナップしている一方で、パワードサブウーファーとボックスサブウーファーも多彩に展開している。ここまでの品揃えを誇るカーAVメーカーは、同社をおいて他にはない。

まずパワードサブウーファーでは、音質重視の大型モデルでありながら薄型が実現されトランクの積載性への影響が少ない『TS-WX70DA』(税抜価格:3万9000円)、スタンダードな小型・薄型モデルの『TS-WX400DA』(税抜価格:3万円)を用意する。

その上で「カロッツェリア」が独自開発した両面駆動方式「HVT方式」が採用された超薄型モデルの『TS-WH1000A』(税抜価格:5万円)と『TS-WH500A』(税抜価格:2万5000円)も持っている。なおこの2モデルは、低音の鳴り方が自然であることも特長だ。パワー感よりも質を求める向きにお薦めの良品だ。

そしてさらには、大型ボックスに組み込まれた本格的でパワフルな重低音をドライブできるグローバルモデルも計5機種ラインナップする。

まとめ

長い歴史を誇り、そしていつの時代もシーンをリードし続けてきた「カロッツェリア」。クルマの中で良い音を満喫したいと思ったとき、そして快適なドライブを楽しみたいと思ったとき、「カロッツェリア」の各アイテムは頼りになる

特に、スピーカー選びをしているドライバー諸氏は、同社の製品のチェックをお忘れなきように。エントリーモデルからハイエンド製品まで、どれも高いコストパフォーマンスを発揮する。なお「カロッツェリア・スピーカー」は、カーオーディオ・プロショップにて試聴機として用意されている率も高い。「カロッツェリア・サウンド」に興味があれば、お近くのプロショップまで出向き、その音を体験されたし

太田祥三|ライター
大学卒業後、出版社に勤務し雑誌編集者としてキャリアを積む。カー雑誌、インテリア雑誌、そしてカーオーディオ専門誌の編集長を歴任した後、約20年間務めた会社を退職しフリーに。カーオーディオ、カーナビ、その他カーエレクトロニクス関連を中心に幅広く執筆活動を展開中。ライフワークとして音楽活動にも取り組んでいる。

《太田祥三》

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