初心者パパの「おむつ替え」デビューは、サービスエリアで【岩貞るみこの人道車医】

蓮田SA(上り)、フードコートの並びにあるベビーコーナー。明るくて入りやすい。
  • 蓮田SA(上り)、フードコートの並びにあるベビーコーナー。明るくて入りやすい。
  • 入口にあるサイン。もちろん、男性も使えます。
  • 中は、こんな感じ。奥に授乳用の個室がふたつ。
  • おむつ替えの台。
  • 授乳用の個室の中は、椅子と小さなテーブル。個室は、商業施設によっては男性使用不可なので要注意。
  • 手を洗う洗面台、おむつが捨てられるごみ箱、そしてミルク用のお湯が利用可能。
  • 立てる年齢の子どもが着替えられるスペース。親が膝をつくところにもクッションあり。
  • トイレ棟にあるファミリートイレ。中にはおむつ替え台あり。車椅子利用者だけでなく、小さな子どもを連れたご家族などでいっしょに利用できます。

今日のテーマは“おむつ替え”である。「は?」と思わず、ぜひ最後まで読んでいただきたい。

男性の育児参加が増えてきた。けれど、母親が感じる「父親が育児参加している」と、父親が思う「自分はやっている」には、とても大きな乖離がある。「それでやったつもりになるなよ」というのが、母親の本音だ(経験がないため、ママ友の雑談から推測)。離婚という二文字が頭のすみをよぎるのも、子育てへの協力度合いによることが多い(ママ友の雑談から推測)。これが積み重なって、熟年離婚につながることもあるようだ(グランマ友達の雑談から推測)。

さて、男性のみなさん。育児参加、していますか。その中でも、うんちしたときのおむつ替えを、外出先でも率先してやっていますか?

(えらそうに聞いていますが、私自身は、おむつ替え未経験です、すみません)

おむつ替えは、ハードルが高い。特に、うんちのときは大変である。さらに、外出先でのおむつ替えとなると、男性にとっては高い高いハードルがある。

「ベビーコーナー、入りづらい問題」である。

パパ初心者はベビーコーナーに入りづらい

おむつ替えの台。おむつ替えの台。
ベビーコーナー。商業施設などに設けられたおむつ替え台のあるその部屋は、男性からすると「母親の聖域」として光り輝き、入室をこばむ存在のように見える。もちろん、男性保護者でも使える。使えるのだが、入りにくいと感じている人は多いことだろう。

そこで、育休取得3回め。2021年の春に誕生したベイビーのために、上二人のキッズとともに現在、ワンオペ育児をこなす父親。超一流企業勤務のK氏に聞いてみた。ベビーコーナー、入れますか?

「入りますよ。マナーとして入るときは必ず、中にいる人にわかるよう声をかけるようにしています。」

あのう、クルマで移動するときは、クルマのなかでしちゃうと楽なのでは?

「クルマのなかではやらないです。おむつ替えしたあと、手を洗わないといけないので」

そうなんだ! おむつ替え未経験者の私、今、目からウロコがぼとりと落ちた。

「ただ、ベビーコーナーの中にある授乳用の個室の仕切りが扉ではなくカーテンのときは、ちょっと緊張しますね。」

K氏の奥さまに聞いてみると、やはりカーテンだと中にいる人も緊張するらしい。でも、これはお互いに気持ちよく使えるように配慮しあうしかなさそうだ。

※ベビーコーナーは男性も使えるけれど、中にある授乳用の個室は、男性使用禁止のところが多いです。

すでにおむつ替え達人となったK氏にとって、ベビールーム入室は、なんの抵抗もないという。ただ、女の園、母親の聖域とも思える場所に、パパ初心者は入りにくいと推測する。

そこで、おむつ替えデビューとして活用してほしいのは、高速道路のサービスエリア(SA)にあるベビールームである。

男性が心を許せる場所だからこそ

蓮田SA上り、MOMI & TOY’Sの、わたぼく牛乳(埼玉県民のソウルミルク)を使用したソフトクリーム。濃厚ながら後味さっぱり美味しいです。ぜひ!蓮田SA上り、MOMI & TOY’Sの、わたぼく牛乳(埼玉県民のソウルミルク)を使用したソフトクリーム。濃厚ながら後味さっぱり美味しいです。ぜひ!
サービスエリア。それは、男性ドライバーにとってなじみのある場所。街中ではちょっと食べるのに気が引けるソフトクリームも、SAPAでなら食べます! という声を男性、しかも、おじさまたちからよく聞く。年代を問わず、サービスエリアは男性にとって心を許せる場所だといっていいだろう。

ショッピングモールやテーマパークといった女性が幅を利かせている場所ではなく、男性にとって心落ち着く場所であるサービスエリアなら、ベビーコーナー入室のハードルがぐっと低くなるのではないだろうか。

ベビーコーナーには、おむつ替え台のほか、手を洗う洗面台もある。おむつを捨てるゴミ箱もあるし、ミルクを作るためのお湯が使えるところもある。まさに、子育て応援コーナーなのである。

いや、それでも、ベビールームには入りにくい、という人は、サービスエリアのなかには、多機能トイレやファミリートイレを設置しているところがあり、中におむつ替え台や洗面台を設けていることもあるので、こちらをぜひ活用していただきたい。

中は、こんな感じ。奥に授乳用の個室がふたつ。中は、こんな感じ。奥に授乳用の個室がふたつ。

おむつ替えデビューは、サービスエリアで

今回、取材した東北自動車道の蓮田SA上り(埼玉県。首都高に入る前の最後のSA)のファミリートイレには、おむつ替え台のほかに小さな子ども用のちっちゃなトイレが設置されていて、ベイビーだけでなく、いっしょにいるキッズも用を足すことができる。もちろん、自分も。一気にミッション・コンプリートだ!

この蓮田SA上りは、2年前に全面改良されたばかりで、テイクアウトコーナーや、女性の好奇心を刺激するお土産店(ここの品ぞろえは、都内高級セレクトショップ並み!)や、生鮮食料品店もある。

「俺、おむつ替えておくから、ちょっとお店でも見てくれば?」

そんなふうに、少しのあいだだけでもお母さんを育児から解放してあげたら、めっちゃ喜ばれると思う(私ならすごくうれしい! 子育てとは無縁だけど)。

男性ドライバーのみなさん。おむつ替えデビューは、ぜひサービスエリアで。そして、各地のベビーコーナーも使いこなし、おむつ替えの達人になりましょう。

入口にあるサイン。もちろん、男性も使えます。入口にあるサイン。もちろん、男性も使えます。

岩貞るみこ|モータージャーナリスト/作家
イタリア在住経験があり、グローバルなユーザー視点から行政に対し積極的に発言を行っている。主にコンパクトカーを中心に取材するほか、ノンフィクション作家として子どもたちに命の尊さを伝える活動を行っている。レスポンスでは、アラフィー女性ユーザー視点でのインプレを執筆。コラム『岩貞るみこの人道車医』を連載中。

《岩貞るみこ》

岩貞るみこ

岩貞るみこ|モータージャーナリスト/作家 イタリア在住経験があり、グローバルなユーザー視点から行政に対し積極的に発言を行っている。レスポンスでは、女性ユーザーの本音で語るインプレを執筆するほか、コラム『岩貞るみこの人道車医』を連載中。著書に「ハチ公物語」「しっぽをなくしたイルカ」「命をつなげ!ドクターヘリ」ほか多数。最新刊は「法律がわかる!桃太郎こども裁判」(すべて講談社)。

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