自動車部品製造のダイヤメットが民事再生、負債総額603億円 東京商工リサーチ

東京商工リサーチによると、自動車部品製造のダイヤメット(新潟市東区)と子会社のピーエムテクノ(同市東区)が12月21日、東京地裁に民事再生法の適用を申請した。負債はダイヤメットが約577億9000万円、ピーエムテクノが約26億700万円、2社合計約603億9700万円。

ダイヤメットの負債総額はホワイト・ベアーファミリー(大阪市北区、負債278億円)を上回り今年最大。また、令和に入ってもAWH(沼津市、負債400億円)を上回り、最大となった。

ダイヤメットは、三菱マテリアルの子会社として2005年設立。粉末冶金法を用いた焼結機械部品、焼結含油軸受、軟磁性材部品、その他の粉末冶金製品などの製造を手掛け、自動車向け部品を主体とし、ピーク時の2008年2月期には売上高約267億6500万円を計上していた。

しかし、その後は自動車向け需要の緩やかな縮小を背景に減収で推移し、2020年3月期には売上高が約200億6700万円にまで落ち込んだ。この間、2016年には不適合製品の出荷等に関する問題が発生し、その対応と体制整備に多額の費用を投じたこともあり、2017年3月期以降は大幅な赤字計上が続き、債務超過に陥っていた。

親会社の追加出資などで資金支援を受けていたが、2020年9月には三菱マテリアルが、エンデバー・ユナイテッドの組成するファンドに全株式の売却を発表、12月に株式が譲渡されるとともに、同社の役員も刷新していた。しかし、多額の金融債務を抱えるなかで自力再建は難しいとの判断から、今回の措置となった。

ピーエムテクノは、ダイヤメットの生産子会社として設立され、自動車用焼結部品の製造を手掛けていた。しかし、ダイヤメットと一体の経営であったことから、連鎖した。

《纐纈敏也@DAYS》

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