[低音増強 大作戦]組み合わせるパワーアンプについての考察

カーオーディオ・サウンドの完成度に大きな影響を及ぼすサブウーファー。当特集では、これが必要である理由から使い方・楽しみ方までを多角的に解説している。第7回目となる当回では、組み合わせるパワーアンプについて考察していく。

なお当特集は、全国の実力カーオーディオ・プロショップに取材して記事を構成している。今回は、千葉県流山市の老舗、“サウンドエボリューション ログオン”の小溝さんに講師役をお願いした。参考になる話がたくさん聞けた。じっくりとお読みいただきたい。

スペックは気にしすぎなくてOK! 使い勝手は要確認!

まずは“サウンドエボリューション ログオン”の小溝さんに、サブウーファーとパワーアンプとの“パワーバランス”について訊いた。

「例えば定格入力が50W(ワット)のサブウーファーがあったとして、それを鳴らすには定格出力が何Wのパワーアンプが良いのかとお客様からもよく訊かれるのですが、実のところ明確な答はありません。なぜなら、どんなボックスで鳴らすか、要は箱の容量やタイプ(シールドかバスレフか)等によってパワーハンドリングが変わってくるからです。つまり、どう鳴らしたいかで変化するんです。

ちなみに個人的には、サブウーファーの定格入力の値よりもパワーアンプの定格出力の値の方が少し大きいくらいが好きなのですが。力のあるパワーアンプを使って鳴らした方が、レスポンスが良くなることが多いからです。とは言っても、パワーを掛けすぎるとサブウーファーを壊しかねませんので、上手く扱う必要があるのですが。

というわけで、極端に“パワーバランス”が不釣り合いなものでなければスペックは気にしすぎなくても良いと思います。まずはご予算ありきですし、インストールの都合やシステム全体の中でのバランスも考えながら、お好きなものを選べば良いと思います。

ただし、使い勝手は考慮したいですね。パワーアンプは機種ごとで細かな仕様が異なります。クロスオーバーが搭載されているかいないか、そしてそのタイプ違いもいろいろとありますし。さらには2ch入力で4ch出力が可能なものもあれば4chを個別に入力しなくてはならないものもあります。またブリッジ接続のできるできない、対応インピーダンスの違いまでさまざまな点が異なります。

そういった細かな点は、カーオーディオ・プロショップに確認してもらいましょう。どんなサウンドが欲しいのかを伝えて、ご予算の中から仕様的にもベターなものを推薦してもらうと良いのではないでしょうか」

ユニットサブウーファーの一例(DLS)。

パワーを掛けたいときにはモノラルアンプが有利。音質にこだわる場合には…。

ところで、サブウーファー用のモノラルパワーアンプもさまざま出ている。それについても教えてもらった。

「モノラルパワーアンプの多くはサブウーファー用に設計されていますから高出力なモデルが多く、しっかりパワーを掛けて鳴らしたい場合に特にアドバンテージを発揮します。

とはいえ、4chアンプでもハイパワーな仕様になっているモデルもありますし、パワーを掛けたいときには絶対的にモノラルアンプが良い、というわけでもありません。

ちなみに、音を優先させたい場合のベストな選択肢は何ですかと問われたら、“フロントスピーカーを鳴らすパワーアンプと同じもの”と答えています。フロントスピーカーに使っているモデルが使いたいサブウーファーを鳴らせる仕様になっているのなら、それと同じものを組み合わせるのが最善策だと思います。

その理由は以下のとおりです。クラシックでもポップスでも、楽曲は各楽器が同一のリズムに乗って進行し、同一のハーモニーを奏でます。なのでスピーカーも、ツイーターからサブウーファーまで同じタイミングで鳴らしたいですし、音色も揃えたい。となるとパワーアンプは同一のモデルの方がレスポンスも同一ですしサウンドも繋がりやすくなり、ステレオイメージの再現性も上がりやすいです。

ただしそうは言っても、必ずしもそうしなければならないわけでもありません。カーオーディオ・プロショップとしてはむしろ、どんなパワーアンプを使うにせよ、フロントスピーカーのサウンドと上手く合わせられなければいけないと思っています。

つまり合うか合わないかではなくて、“合わせる”ことが我々の仕事です。ですので、パワーアンプ選びはこうでなければダメ、という風に決めつける必要はないと思います。どんなモデルを選んでいただいても構いません」

ユニットサブウーファーの一例(モレル)。

“バッ直”はした方が音的には有利。しかしそうしなくても大丈夫なモデルもある。

続いては、電源配線について質問した。

「電源配線は、メインバッテリーから直接引き込む“バッ直”を行うのが、音的にもっとも有利です。メインバッテリーが、安定的に電力を確保できる最良の場所であることは間違いありませんから。

とはいえ、必ずそうしなければならないかというと、最近はあながちそうとも限らなくなってきました。省電力・ハイパワーなモデルも増えていて、そういったモデルの中には“バッ直”しなくても使えるモデルもあるんです。メーカーも使いやすさを考えて設計していますから。

もちろん、“バッ直”しなくても良いとうたわれたモデルでも“バッ直”した方が音的な優位性が得られることも確かなのですが、でも大きな違いとしては現れませんし、また最近は“バッ直”がしにくい車種も増えつつあります。ご予算も鑑みながら臨機応変に考えれば良いと思っています。

なおパワーケーブルは、適切な太さのものをお使いいただきたいと考えています。使用するパワーアンプの消費電力量と引き回す長さによって、必要な太さが変わってきます。パワーアンプから電源までの距離が長くなるに従って太いケーブルが必要になるんです」

最後にまとめてもらった。

「サブウーファーを鳴らすパワーアンプの選択肢はさまざまが有り得ます。まずはご予算ありきで、そして使い勝手を考慮しつつもっとも欲しいサウンドを得られやすそうなモデルを、ショップと相談しながらじっくりお選びください。

ご来店いただけましたら、さまざまな低音増強策をご提案できると思います。ぜひお気軽にお越しください」

《太田祥三》

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