アルファロメオ ジュリア、伝説の名前「GTA」が復活…F1ドライバーが開発テスト[動画]

100kgの軽量化を達成

カーボンファイバー製の大型リアウィング

GTAmは後席を取り外して2シーター化

2.9リットルV6ツインターボは540hpに強化

両F1ドライバーが車両のセットアップに関してアドバイス

アルファロメオ・ジュリア GTA 新型のプロトタイプ
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  • アルファロメオ・ジュリア GTA 新型のプロトタイプとキミ・ライコネン選手
  • アルファロメオ・ジュリア GTA 新型のプロトタイプとキミ・ライコネン選手、アントニオ・ジョヴィナッツィ選手
  • アルファロメオ・ジュリア GTA 新型のプロトタイプとアントニオ・ジョヴィナッツィ選手

アルファロメオは10月20日、新型『ジュリアGTA』(Alfa Romeo Giulia GTA)のプロトタイプを、F1ドライバーのキミ・ライコネンとアントニオ・ジョヴィナッツィの両選手がテストした、と発表した。

100kgの軽量化を達成

新型ジュリアGTAは、アルファロメオの名車、『ジュリア・スプリントGTA』に敬意を表して開発された。「GTA」とは、「グラン・ツーリスモ・アレッジェリータ」の略で、アレッジェリータとは、イタリア語で「軽量化」を意味する。

アルファロメオは1965年、当時の『スプリントGT』をベースにしたレース仕様車、ジュリア・スプリントGTA を発表した。アルファロメオのレース部門の「アウトデルタ」が開発を担当。アルミ製ボディを採用して車両重量を745kgに抑え、ベース車両の950kgと比較して、205kgもの軽量化を達成していた。同車は1966~1969年、4年連続で欧州ツーリングカー選手権を制し、その名を歴史に刻んでいる。

新型ジュリアGTAでは、ドライブシャフト、ボンネット、ルーフ、フロントバンパー、フロントホイールアーチ、リアホイールアーチインサートなどをカーボンファイバー素材に変更した。エンジン、ドア、サスペンションシステムには、アルミ素材を使用。他のさまざまな複合素材も、車両全体に使用された。

さらに、スパルタン仕様の新型『ジュリアGTAm』では、モータースポーツの世界から生まれたポリカーボネート樹脂の「Lexan」を、サイドウィンドウとリアウィンドウフレームに使用し、さらなる軽量化を追求したその結果、車両重量はおよそ1520kgに抑えられ、100kgの軽量化を達成した。

カーボンファイバー製の大型リアウィング

新型ジュリアGTAmのエクステリアには、新型ジュリアGTAよりも大型のフロントリップスポイラーとカーボンファイバー製の大型リアウィングが装備された。エアロダイナミクスを最適化し、高速でのバランスの取れたパフォーマンスを追求する。

カーボンファイバー製のリアディフューザーには、チタン素材の「アクラポヴィッチ(AKRAPOVIC)」製センターエグゾーストシステムが組み込まれる。20インチのセンターロックホイールも専用デザインだ。前後トレッドは50mm拡幅され、サスペンションシステムには新設計のスプリングやショックアブソーバー、ブッシュを採用した。

GTAmは後席を取り外して2シーター化

新型ジュリアGTAmのインテリアには、アルカンターラ素材を、新型ジュリアGTAよりも広範囲に使用した。ダッシュボード、ドアトリム、グローブボックス、サイドピラー、シートのセンタートリムなどに、アルカンターラを使用している。

また、後席が取り外され、2シーター化された。リアには、ヘルメットと消火器を固定するスペースが残されている。マットカーボン仕上げのトリムを採用した。ロールバーを備え、ドアパネルは未装備。ドアの内側ハンドルは、レースの世界に触発され、ストラップに変更されている。カーボンファイバー構造のバケットシートには、サベルトの6点式シートベルトが組み込まれた。

2.9リットルV6ツインターボは540hpに強化

両モデルには、「ジュリア・クアドリフォリオ」のパワートレインを高性能化して搭載する。オールアルミ製の2.9リットルV型6気筒ガソリンツインターボエンジンは、最大出力が540hpへ引き上げられた。

このスペックは、ジュリア・クアドリフォリオの510hpに対して、30hpの強化にあたる。パワーウェイトレシオは2.82kg/hpで、アルファロメオによると、クラス最高という。ローンチコントロールシステムを使用した場合、0~100km/h加速を3.6秒で駆け抜ける。

両F1ドライバーが車両のセットアップに関してアドバイス

この新型ジュリアGTAと新型ジュリアGTAmのプロトタイプを、F1ドライバーのキミ・ライコネンとアントニオ・ジョヴィナッツィの両選手がテストした。開発の最終段階にある両車のセットアップに関して、アドバイスを行うのが目的だ。

舞台は、1960年代からすべてのアルファロメオのスポーツカーが開発とテストを受けてきたイタリア・バロッコ試験場。テストセッションでは、両F1ドライバーが限界まで車両をテストし、リアルタイムでフィードバックを提供した。ブリーフィングとセットアップセッションは、アルファロメオのレーシング部門である「オートデルタ」のワークショップで行われた。

テスト走行では、エアロダイナミクスとハンドリングを最適化するために、技術面での具体的な提案に焦点が当てられた。車両の微調整を完了するために、両F1ドライバーは車両に加えられた変更を分析し、テストコースでの印象を語り、車両のダイナミクスへの影響を共同で評価した。

また、ジョヴィナッツィ選手は、新開発のカーボンファイバー製コンポーネントとシングルナットハブに採用された新技術にとくに注意を払ったという。プロトタイプのホイールと組み合わせた場合に、車両のセットアップに関するアドバイスを行った。

一方、ライコネン選手は、空力部門と協力して、フロントバンパーに組み込まれた調整式リップスポイラーと、手動調整可能なリアウィングの開発に携わった。これらの新しいコンポーネントが、車体やアンダープロアに与える効果について、探っている。

なお、新型ジュリアGTAm は、新型ジュリアGTA と合わせて、500台を限定生産する予定だ。

《森脇稔》

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