ZF、新世代のアクティブリアステアリング開発…年内量産開始の大型高級車に搭載へ

ZFの新世代のアクティブリアアクスルステアリングシステム
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ZFは10月14日、新世代のアクティブリアアクスルステアリングシステムを開発した、と発表した。2020年12月から量産を開始する大型高級車に搭載される予定だ。

ZFのアクティブリアアクスルステアリングシステムは、リアアクスルでの操舵を可能にし、車両の安全性、快適性、ドライビングダイナミクスの向上を支援する。第1世代のシステムは、2013年に量産を開始した。これまでに、世界の自動車メーカーの50万台以上の車両に搭載されている。

第2世代となるアクティブリアアクスルステアリングシステムでは、パフォーマンスとネットワーク機能が向上し、自動運転機能を備えた電動車にも適合するように設計された。センターアクチュエータの作動力が増加しているため、最大3.5トンの車両に搭載できる。後輪の操舵角も、従来の4.5度から最大10度に拡大された。

新しいシステムは、主にEVに適するという。EVはリチウムイオンバッテリーを搭載するため、車両重量が重い。また、前後の車軸の間にバッテリーを搭載するため、ホイールベースが長くなる。そのため、リアアクスルステアリングがないと、EVはとくに都市において、操縦が困難になるという。

第2世代のアクティブリアアクスルステアリングシステムには、新しい電子アーキテクチャに基づくステアバイワイヤを採用した。最新のサイバーセキュリティのおかげで、ZFによって開発されたコントロールユニットは、ハッカーの攻撃から保護され、駐車およびステアリングアシスタントと連携して機能する。これにより、大型セダンでも、狭い路地や駐車場で簡単に操縦することができるという。

ZFのアクティブリアアクスルステアリングシステムの需要は、引き続き増加している。そのためZFは、オーストリアのレブリング工場に第4の組立ラインを開設した。現在、年間100万基以上を生産することができる。

このZFの新世代のアクティブリアアクスルステアリングシステムは、2020年12月から量産を開始する大型高級車に搭載される予定だ。同車の最小回転半径は、従来型よりも1m短い、としている。

《森脇稔》

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