マツダの100年を代表する名車3台、北京モーターショー2020出展へ

マツダ最初の乗用車「R360クーペ」

世界初の2ローター・ロータリーエンジン搭載の「コスモスポーツ」

「ハイウェイの貴公子」と呼ばれたルーチェ・ロータリークーペ

マツダ R360 クーペ
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マツダ(Mazda)の中国部門は9月11日、中国で9月26日に開幕する北京モーターショー2020に、マツダの100年を代表するクラシックモデル3台を出展すると発表した。

マツダ最初の乗用車「R360クーペ」

1960年、コンピュータで生産管理を行うマツダの最新工場から、小さな4名乗りの軽自動車がラインオフした。マツダ最初の乗用車、『R360クーペ』の誕生だ。

R360クーペは、先進的なデザインと独自の技術を織り込んだマツダのクルマづくりの原点となるクルマだ。 発売当時の1960年、軽乗用車では前例のない4サイクルエンジンやオートマチックトランスミッションを搭載していた。個性的でスタイリッシュなクーペフォルムも車体の軽量化に大きく貢献した。

さらに、徹底的な軽量化を施すために、パワートレインには軽合金素材を多用し、ボディはモノコック構造とした。R360クーペは、日本のモータリゼーションの進展を加速させるクルマとなった。また、R360クーペは三輪から四輪へ、トラックから乗用車へと、マツダの発展期を象徴する1台となった。

世界初の2ローター・ロータリーエンジン搭載の「コスモスポーツ」

マツダは1963年10月、「全日本自動車ショウ」において、世界初の2ローター・ロータリーエンジン搭載の『コスモスポーツ』を初公開した。当時の松田恒次社長がプロトタイプで会場に乗りつけ、美しく未来的なプロポーションが人々を驚かせた。

マツダは1961年、ロータリーエンジンの開発に着手した。開発には6年を要し、苦難と挑戦の歴史だったという。最大の難関だったのは、一定時間運転すると内壁面に発生する「チャターマーク(波状摩耗)」だ。幾多の挑戦を重ね、最終的に高強度カーボン素材にアルミをしみ込ませたシールを開発してこの難題を克服し、マツダのロータリーエンジンが誕生した。多くの自動車メーカーが開発を断念する中、マツダはロータリーエンジンの実用化に成功した。ロータリーにかける情熱と執念により、ロータリーエンジンを積むコスモスポーツが誕生した。

マツダは1964年、東京モーターショーにおいて、コスモスポーツを正式発表した。その後もマツダのエンジニアは、品質と耐久性を揺るぎないものとするべく、さらなる走りの熟成に取り組んだ。広島県の三次自動車試験場が完成した1965年6月から、連続高速耐久テストが繰り返され、開発当初からのテスト走行距離は70万kmに達した。

マツダは1967年5月30日、コスモスポーツを発売した。491cc×2ローター・ロータリーエンジンは、最大出力110psを引き出し、0~400m加速16.3秒、最高速185km/hの性能を発揮した。低く流れるようなスタイリングは、小型高出力というロータリーエンジンの長所を具現化したもの。コスモスポーツは、当時のスポーツカーとして珍しく、月間30台前後の販売を達成した。国際レースでの活躍とともに、その名声を確固たるものにした。

「ハイウェイの貴公子」と呼ばれたルーチェ・ロータリークーペ

マツダは1969年10月、ハードトップクーペボディに新開発のロータリーエンジンを搭載した『ルーチェ・ロータリークーペ』を発表した。新開発のロータリーエンジンは、655cc×2の排気量を備え、最大出力126psを発生し、最高速190km/hの性能を誇った。

ルーチェ・ロータリークーペは、ロータリーエンジンのコンパクトさを生かして、クラス初のFF駆動方式が採用された。大卒の初任給が約3万円だった時代に、ルーチェ・ロータリークーペは145万~175万円の価格で発売された。「ハイウェイの貴公子」と呼ばれ、美しいボディと優れた高速走行性能が特長だった。

当時、ルーチェ・ロータリークーペはマツダのディーラーだけではなく、大手百貨店の全国35店舗でも展示された。マツダはルーチェ・ロータリークーペを擁し、当時形成されつつあった高級パーソナルカー市場への参入を果たしている。

《森脇稔》

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