トラックとタイヤの付き合い方とは? 燃費目標5.4km/リットルを掲げるコイト運輸とタイヤスペシャリストのダンロップが夢の対談!

「ローマは1日にしてならず」日々安全を追求した結果がエコドライブに

スタッドレスタイヤは年間を通して履いた方が良い? 夏タイヤに履き替えた方が良い?

嵩張るスタッドレスの保管 実は“アレ”が役に立っている

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コイト運輸株式会社
  • コイト運輸株式会社
  • 今回お話しを聞いたコイト運輸の佐野さんと磯部さん、インタビューを行った住友ゴム鬼海さんとモビリティジャーナリストの楠田さん
  • 運輸業者にとってタイヤとの付き合い方は非常に重要
  • コイト運輸株式会社
  • 車両はウィングタイプを約60台保有している
  • 古いトラックを使いスタッドレスタイヤなどを保管している
  • 安全安心な運転を一丸となって実践している
  • トラックの車体に掲げている企業メッセージ「安全を光に託して~人とクルマの安全は私たちの願い」

安全、そしてコスト管理 運輸業者が抱える問題点とは?

日本の物流を支える運輸業界。正確、そしてスピーディに人や製品を届ける為に、各業者は様々な目標を掲げ勤しむ。中でも安全面やコスト面は重要な経営指標だ。いかに安全に製品をお客様へ届け、信頼を得るかが重要となる分野だけに、運輸車両の日々のメンテナンスは欠かすことのできない超マスト事項である。

特に走行上、車両と路面をコンタクトさせる唯一の部品であるタイヤは、全てのクルマにとって最も重要であることはご承知の通り。現在では安全性はもちろんのこと、長距離運行においては無視できない「燃費」にも寄与するとして重視する運輸業者も多い。つまりタイヤという商品はそれだけ与える影響が大きいことがわかる。

左から住友ゴム 鬼海氏、モビリティジャーナリスト 楠田氏、コイト運輸 佐野社長、コイト運輸 磯部氏左から住友ゴム 鬼海氏、モビリティジャーナリスト 楠田氏、コイト 運輸佐野社長、コイト運輸 磯部氏
(左から住友ゴム 鬼海氏、モビリティジャーナリスト 楠田氏、コイト運輸 佐野社長、コイト運輸 磯部氏)

そこで運輸業者とタイヤとの付き合い方をウオッチすべく、今回は自動車照明機器でお馴染みの小糸製作所のグループ企業、コイト運輸株式会社を訪問し、その実態に迫った。

コイト運輸は、燃費効率の2019年全社員目標は5.4km/リットル(実績値5.38km/リットル)という高い数字を掲げ、その結果エコドライブの功労が称えられ2017年に交通関係環境保全優良事業者大臣表彰を受賞するなど、燃費管理の徹底化が行われている。

早速、同社はタイヤとどのように向き合っているのか、代表取締役社長の佐野伊三夫氏と業務係長の磯部数弘氏に、住友ゴム工業技術サービス部の鬼海悟氏とモビリティジャーナリストの楠田悦子が直撃インタビューを行った。

「ローマは1日にしてならず」日々安全を追求した結果がエコドライブに

住友ゴム鬼海氏(以下鬼海):5.4km/リットルの全社員目標は信じられない数字ですね。

住友ゴム工業 鬼海悟氏住友ゴム工業 鬼海悟氏
コイト運輸佐野社長(以下佐野):走行エリアは、西は九州から静岡、東は群馬から静岡です。配送ルートは決まっているものが多く、高速道路を走る路線が大半ですが、配送先付近になるとほぼ一般道走行です。

乗務員は58人で、車両はウィングタイプ(コンテナの開閉が左右翼を広げた様なタイプ)を約60台保有しています。当社の安全運転十訓に則り、急加速、急ハンドル、急ブレーキなど「急」の付く運転はせず、安全安心な運転を一丸となって実践しています。その結果が、エコドライブにつながっています。

コイト運輸 代表取締役社長 佐野伊三夫氏コイト運輸 代表取締役社長 佐野伊三夫氏
鬼海:「急」がつく運転をしないのは、タイヤにとっても理想的な使い方だと思います。

スタッドレスタイヤは年間を通して履いた方が良い? 夏タイヤに履き替えた方が良い?

モビリティジャーナリスト楠田悦子(以下楠田):静岡県はあまり雪が降らないエリアですが、スタッドレスタイヤをここ最近使い始めた理由をお聞かせください。

モビリティジャーナリスト 楠田悦子モビリティジャーナリスト 楠田悦子
佐野:親会社は自動車照明メーカーの小糸製作所です。その企業メッセージはトラックの車体に掲げている「安全を光に託して~人とクルマの安全は私たちの願い」です。つまり”安全”に商品を運ぶことが何よりも優先されます。またトヨタ自動車様関連を納品先に多く抱えているため、”ジャストインタイム”時間通りに届けることが重要です。

ここ静岡もそうですが、配送先も雪が降らない地域が多いです。しかし、2018年の突発的な積雪の影響で、配送できるかヒヤヒヤしたことがありました。コストはかかりますが、確実な納品、そして社員の安全には代えられません。これをきっかけに“御守り”として、スタッドレスタイヤを購入したのがきっかけです。

トラックの車体に掲げている企業メッセージ「安全を光に託して~人とクルマの安全は私たちの願い」トラックの車体に掲げている企業メッセージ「安全を光に託して~人とクルマの安全は私たちの願い」

スタッドレスタイヤは年間を通して履いた方が良い?夏タイヤに履き替えた方が良い?

鬼海:ちなみに、冬に装着したスタッドレスタイヤは年間を通して履き潰しをされていますか?

佐野:スタッドレスタイヤの履き潰しはしていません。春に入ってから夏タイヤに履き替えています。

鬼海:それはいいですね。スタッドレスタイヤは夏タイヤと比較して、燃費・摩耗・音が劣ります。安全面を考慮したうえでも当社としては、夏タイヤへの履き替えを推奨しております。

安全安心な運転を一丸となって実践している安全安心な運転を一丸となって実践している

嵩張るスタッドレスの保管 実は“アレ”が役に立っている

佐野:当社はダンロップ製で夏タイヤをSP688Ace、冬タイヤをSP088という、主にこの2つを併用しています。そのため一年を通してシーズン毎に、使わないタイヤの保管場所が必要になります。当初は近くの倉庫の借用を考えましたが、365日かかる場所代の費用が気になりました。

コイト運輸が使用するタイヤコイト運輸が使用するタイヤ
ダンロップの商用タイヤラインアップはこちら
そこでひらめいたのが、古いトラックの活用です。自社の駐車場で保管できますし、トラック自体はまだ動くので、場所ごと移動させることも可能なのです。さらにタイヤの荷積み荷卸しは自分たちで行うので、若手社員のフォークリフトの練習としても役立っています。

鬼海:安全に長くお使い頂くためにも保管方法はとても大切です。所有されているトラックを使って、保管費用を抑えられている点だけでも驚きですが、フォークリフトの練習にまでも活用させているとは正直感銘を受けました。

古いトラックを使いスタッドレスタイヤなどを保管している古いトラックを使いスタッドレスタイヤなどを保管している
楠田:保管用のトラックは、一見まだ現役の車両かと見間違えるほどに綺麗ですね。ところで一般的にはどのようなタイヤの保管の仕方が多いのでしょうか?

鬼海:私がこれまで見てきたケースですと、風雨に当たる屋根がない場所で、野積みにして保管されている業者様が多いと感じます。炎天下や風雨に長期間曝されているとゴムの劣化を早め、ひび割れが発生しやすくなります。タイヤに石が噛んでいて溝底に傷があると、そこから水分が流れ込むことで、タイヤ内部コードが錆びてしまい履き替え直後でもタイヤが破損する場合もありますので要注意です。

楠田:確かに保管も大変ですが、今度はタイヤの履き替え時期のタイミングというのも難しいですね。

鬼海:地域によって異なりますが、基本的に降雪地域では早目の装着、遅目の取外しを推奨させて頂いております。欠品や混雑でご迷惑をおかけする場合もございますが、雪はいつ降るか予想が難しく、油断した頃に降って、せっかくのスタッドレスを活かせない場合もあります。配送エリアの気象状況を確認しながら検討する必要があります。ルートが静岡のみであれば、10月下旬に装着、4月下旬の取外しがベストでしょう。

プロにはプロの指導が必要!ダンロップ担当者との日々のコミュニケーションを大切に

楠田:タイヤのメンテナンスはどのようにされていますか?

コイト運輸磯部氏(以下磯部):ダンロップのご担当者さんには、毎月上旬に「溝」「パンク」「空気圧」「偏摩耗」などのチェックをしてもらいます。それに加えて、弊社の乗務員は毎月第3週に空気圧チェックを行い、その結果を表にして、ダンロップさんに共有しています。

運輸業者にとってタイヤとの付き合い方は非常に重要運輸業者にとってタイヤとの付き合い方は非常に重要
鬼海:良いメンテナンスの仕方をされていますね。せっかく買ったタイヤなのに、2~3か月点検を放置してしまったため、タイヤが空気圧不足になってしまう事例をよく耳にします。風船と同じで、推奨空気圧ピッタリだと徐々に空気が抜け、空気圧が低めになってしまいます。50kPa前後高めに空気を張った方が良いです。

楠田:ダンロップご担当者の方とコミュニケーションを密にとられている理由とはなんでしょうか?

佐野:私たちは運輸のプロですが、タイヤに関してはタイヤのプロの助言を参考にしたいと思っています。"ダンロップ"のマークを信頼していますから、間違っていることは「間違っている」とタイヤのプロに客観的にアドバイスをしてもらいたいと考えています。そのためパートナーとしてより良い関係をダンロップさんと一緒に育んできました。

このようにコミュニケーションを密にとり、ダンロップと当社の繁忙期などの状況を共有していますから、スタッドレスタイヤの履き替えも、繁忙期や気象状況を見ながら、スムーズに行えています。

タイヤのプロの力を借りて、社員教育を徹底

住友ゴム工業 鬼海悟氏(左)、モビリティジャーナリスト 楠田悦子(中央)、コイト運輸 代表取締役社長 佐野伊三夫氏(右)住友ゴム工業 鬼海悟氏(左)、モビリティジャーナリスト 楠田悦子(中央)、コイト運輸 代表取締役社長 佐野伊三夫氏(右)
佐野:空気圧チェック、ナットのたたき方など、年に1~2回、ドライバーの方向けに実技講習会もダンロップさんには開いて頂いています。

磯部:社内の人間だけでの共有は効き目が無くなる場合もあります。ですからタイヤのプロから教わると府に落ちて効果的なのです。運転も丁寧になるし、タイヤ点検も気になるし、燃費も良くなるし、相乗効果がいっぱいあります。

ダンロップさんは「小テスト」を用意してくださるので、自分のスキルチェックもできますし、乗務員同士で反省したり自慢したりで盛り上がってますよ(笑)。

鬼海:タイヤのチェーンの使い方などの講習会も行えますから、悩みなどを伺いながら、互いにコミュニケーションを通して、安全策やコスト策を組み立て、お役に立っていきたいと考えています。

日本の経済を足元から支えるトラックタイヤの重要性

日本の運輸業界のレベルは世界トップクラスである。時間、安全性、コスト管理、そして環境意識など、業界全体に求められるレベルは年々高まる一方だ。しかしそれを日々の努力で難なく熟すのが日本の運輸業界。この国の経済を支える一翼である業種だけに、その取り組みや考え方は、今後さらに注目されていくだろう。我々のような一般ドライバーにとってもそのモチベーションはすでに必要になっているのは確かだ。

さあ、あなたもできることからはじめてみよう。まずは愛車の足元チェックから。

今回お話しを聞いたコイト運輸の佐野さんと磯部さん、インタビューを行った住友ゴム鬼海さんとモビリティジャーナリストの楠田さん今回お話しを聞いたコイト運輸の佐野さんと磯部さん、インタビューを行った住友ゴム鬼海さんとモビリティジャーナリストの楠田さん
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《楠田悦子》

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