ところで当機のことを、『HELIX DSP PRO MKll』の次世代機だと思っている方も少なくないかもしれないが、実はそうではない。先述したとおり当機は、その“上位機種”という位置付けだ。つまり、名機『HELIX DSP PRO MKll』はラインナップから外れない。“ヘリックス”の単体“DSP”の布陣が一層分厚くなった、というわけなのだ。ちなみに2機種間の価格差は7万円だ(『HELIX DSP PRO MKll』の税抜価格は16万円、『HELIX DSP ULTRA』のそれは23万円)。
この価格差に見合う実力差は、あるのか、ないのか…。
最初に、『HELIX DSP ULTRA』と『HELIX DSP PRO MKll』との相違点を整理してお伝えしていこう。
まずは『HELIX DSP PRO MKll』の音から確認した。さすがはベストセラーモデル。その音はピュアで密度が濃い。特に、低音の野太さが印象的だった。この点についてはスピーカーの特長が表れているのだろうか。力強く、そして厚みのある低音が楽しめた。その上で中域も高域もリアルで緻密。ひとしきりグッドサウンドを堪能した。