[カーオーディオ プロショップへGO!]サウンドチューニング技術

DSP(デジタル・シグナル・プロセッサー)のチューニングアプリ画面(ロックフォード)。
  • DSP(デジタル・シグナル・プロセッサー)のチューニングアプリ画面(ロックフォード)。

カーオーディオに興味を持ちながらも、これをどうやって始めればいいのかが分からないという方々に向けて、“カーオーディオ・プロショップ”に行くことをおすすめする短期集中特集をお届けしている。今回は、“プロ”の「サウンドチューニング技術」について解説する。

機器が高度になるにつれ、「サウンドチューニング機能」は複雑化していく…。

早速、“カーオーディオ・プロショップ”がどのような「サウンドチューニング技術」を持っているのかを説明していこう。

ところでひと口に「サウンドチューニング」と言っても、機器によってできることが違ってくる。ちなみにもっともライトな機能としては、「バランス」と「フェーダー」というものがある。前者は左右のスピーカーの音量バランスを整える機能で、後者はフロントとリアの音量バランスを整える機能だ。なおこれらを操作するには、特に専門的な知識はとりあえずは必要ない。好みに応じて調整すればOKだ。

さらには「トーンコントロール」という機能もベーシックだ。これは“バス”と“トレブル”、またはそれに“ミドル”を加えた3バンドのそれぞれの音量バランスを整えられる機能だ。要は“低音”、“中音”、“高音”のそれぞれのレベルを上げ下げできる機能である。すべてをフルに上げたりフルに下げたりするのはNGだが、そうでなければこれについても特に知識は必要ない。好みで調節すれば大丈夫だ。

しかし機器が高度になるに従って「トーンコントロール」という機能は「イコライザー」という機能に名前を変え、コントロールできるバンド数が増えてくる。5バンド、10バンド、さらには13バンドというように、よりきめ細かく調整できるようになっていく。

さらには、三菱電機の『ダイヤトーンサウンドナビ』やカロッツェリアの『サイバーナビ』といったハイエンドナビになると、「イコライザー」のバンド数は31バンドにまで増える。しかもそれが、左右のchそれぞれで個別に調整できたりもする。

車内では周波数特性が乱れがち。“プロ”はその乱れの状況を把握できる!

なお、ハイエンドナビの「イコライザー」がここまで細かく調整できるのはなぜなのかと言うと…。

「イコライザー」と聞くとこれを、“音色を好みに応じて変える機能”だと思っている方もいるかもしれない。それは間違いではないのだが、ハイエンドナビにおいての「イコライザー」はむしろ、“周波数特性の乱れを整えるための機能”だと考えるべきだ。

というのも「イコライズ」という英単語は、“等しくする”とか“一様にする”という意味を持つ。車内では音が反射と吸収の影響を受けて周波数特性が乱れ、特性が言わば凸凹な状態になるのだが、「イコライザー」を使えばそれを均等にすることが可能となる。言い換えるならば、もともとの音源どおりのサウンドにすることができるのだ。それをより的確に行うためには、バンド数は多い方が良い。

しかし…。より細かく調整できるようになると、それを使いこなすのは難しくなる。第一、周波数特性の乱れを把握すること自体が素人には困難だ。

でも“カーオーディオ・プロショップ”はそれをやってのける。プロ用の機材を用いて周波数特性の乱れを調べたり、経験則をもとに聴感上でもおかしなところを見つ出し、「イコライザー」を駆使して乱れを整えていく。

またハイエンドナビともなると、フロントスピーカーが2ウェイの場合、高音を再生するツイーターと中低音を再生するミッドウーファーとを個別にコントロールすることも可能となる。

なお、それをしようとするときにはまず、音楽信号を高音と中低音とに2分割する必要が出てくる。この操作のことは「クロスオーバー(帯域分割)」と呼ばれているのだが、当操作も素人には難しい。しかし“カーオーディオ・プロショップ”なら朝飯前だ。

スピーカーの発音タイミングを揃える「タイムアライメント」機能も重要!

そして“カーオーディオ・プロショップ”は、「クロスオーバー」を設定した後には続いて、「タイムアライメント」という「チューニング機能」も操る。

「タイムアライメント」とは、スピーカーごとの発音タイミングを変更できる機能だ。クルマの中では各スピーカーがそれぞれ別々な場所に取り付けられていて、しかもリスニングポジションが左右のどちらかに片寄っているので、各スピーカーから発せられる音の到達タイミングがばらばらになる。この状況は、ステレオイメージを感じ取ろうとするときの足かせとなる。なので“カーオーディオ・プロショップ”では「タイムアライメント」を活用して各スピーカーが発する音の到達タイミングを揃える。そうすることで、正確なステレオイメージを感じ取れるようになるのだ。

ところがこの調整もひと筋縄ではいかない。微妙なさじ加減が必要となる。さらには、「イコライザー」や「クロスオーバー」を操作することでも状況が変わってくる。でも“カーオーディオ・プロショップ”ならば、そういったことも鑑みながら「タイムアライメント」を設定できる。

カーオーディオでは「サウンドチューニング機能」を操れるか否かが、良い音で音楽を楽しめるか否かに大きな影響を及ぼす。ゆえにハイエンド機器では高度なチューニング機能が搭載されているのだ。そしてそれを活用するためには経験とノウハウが必要となる。高度な機械を導入するならば、それを使いこなせる“プロ”に仕事を任せるべきなのだ。

今回はここまでとさせていただく。次回も“カーオーディオ・プロショップ”のバリューについての解説を続行する。お楽しみに。

《太田祥三》

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