MINIのEVがリアルワールドでの走行テスト、航続と充電性能を実証…フランクフルトモーターショー2019

最大出力184hpのモーター

加減速はワンペダルで

充電を考慮したルートを提案

400kmを走行してフランクフルトモーターショーの会場に

MINI クーパーS E(フランクフルトモーターショー2019)
  • MINI クーパーS E(フランクフルトモーターショー2019)
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MINIは、フランクフルトモーターショー2019(Frankfurt Motor Show)に、新型EVのMINI『クーパーS E』(MINI Cooper S E)を出展した。ドイツ・ミュンヘンからフランクフルトまで、実際に走行して、フランクフルトモーターショーの会場に到着した、としている。

MINIは2017年、市販EVを示唆したコンセプトカーとして、MINI『エレクトリックコンセプト』を初公開した。同車は、MINIハッチバックベースのEVで、将来の市販EVを提案した1台だった。その市販モデルが、MINIクーパーS Eだ。MINIシリーズに使われる「クーパーS」に、EVを示す「E」を組み合わせたネーミングとなる。

外観は、フロントグリルやドアミラー、テールゲートなどに、EVであることを示す黄色いアクセントを施した。フロントグリルは、エンジン冷却性に配慮する必要がないEVのため、閉じたデザインに。LEDヘッドランプを標準装備している

最大出力184hpのモーター

EVパワートレインの電気モーターは、フロントのボンネット内に搭載される。モーターは、パワーエレクトロニクスやトランスミッションと一体のコンパクト設計とした。最大出力は184hp、最大トルクは27.5kgmを引き出す。強力なモーターは、0~60km/h加速3.9秒の性能を発揮する。0~100km/h加速は7.3秒。最高速はリミッターにより、150km/hに制限される。MINI クーパーS EMINI クーパーS E

高電圧バッテリーは、12個のモジュールを持つリチウムイオンだ。蓄電容量は32.6kWhで、車両の床下にT字型にレイアウトされる。1回の充電での航続は、最大で270kmを確保した。充電は、出力11kWのチャージャーを使って3時間半だ。出力50kWの急速充電ステーションなら、35分でバッテリーの80%の容量を充電できる。

加減速はワンペダルで

ドライブモードは、トグルバーの右側にあるスイッチで選択する。4つのドライブモードを用意した。スポーツモードでは、ステアリング特性がよりダイレクトとなり、ドライブシステムのレスポンスが向上する。グリーン+モードでは、航続を延ばすために、ヒーター、エアコン、シートヒーターなど、快適機能が制限または無効になる。

加減速は、アクセルペダルのみのワンペダルで行える。ドライバーがアクセルから足を離すと、すぐに車両は減速する。電気モーターが発電機の機能を果たし、運動エネルギーを電力に変換し、この電力を高電圧バッテリーに蓄える。MINI クーパーS EMINI クーパーS E

充電を考慮したルートを提案

ステアリングホイールの奥には、専用のブラックパネルデザインの5.5インチカラースクリーンを標準装備した。このフルデジタルスクリーンの中央には、速度が数字で表示される。ドライブモードに応じて、スピードバンドが赤、白、緑のライトリングで表示される。

デジタルディスプレイには、バッテリーの充電レベル、ドライブモード、運転支援システムの状態などの情報が表示される。さらに、航続や駆動システム、外気温、交通標識認識、矢印によるナビゲーションなども表示される。

「MINI コネクテッド」サービスには、ナビゲーションシステムなどが含まれている。「eDrive」スクリーンには、現在のエネルギーの流れと航続に関する情報を表示する。さらに、快適機能を無効にしたり回復力を高めたりすることで、航続を伸ばす方法を提示する。ナビゲーションマップには、充電レベルに応じた航続を表示することができる。ルート案内が開始されると、最短ルートが表示される。電力消費を最小限に抑えるグリーンルートも提案される。MINI クーパーS EMINI クーパーS E

400kmを走行してフランクフルトモーターショーの会場に

MINIは今回のフランクフルトモーターショー2019に、このクーパーS Eを出展した。ドイツ・ミュンヘンのBMWグループ本社からフランクフルトモーターショーの会場まで、400kmを実際に走行しての会場入りだ。

その狙いは、リアルワールドでの走行テストにある。MINI コネクテッドが、ルート途中の高速道路「A3」の急速充電ステーションに立ち寄るよう提案し、ほぼ残容量ゼロに近かったバッテリーが、およそ35分の急速充電(出力50kW)で、8割の容量まで回復したという。また、航続に関しては、最大270kmが可能ということを実証した、としている。

《森脇稔》

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