北海道の鈴木直道知事は9月6日に開催された定例会見で、北海道新幹線札幌延伸工事のトンネル掘削などにより発生する土(発生土)を、沿線自治体で相互に受け入れることを要請していることを明らかにした。
小樽市朝里(あさり)付近と札幌市中央区の間には全長約26.2kmの札樽トンネルが建設されているが、有害物質を含む「対策土」と呼ばれるものが含まれている怖れがあることから、山岳部分を受け持つ札幌市内の星置工区と富丘工区が着工に至っていない。
そのため、札幌市では発生土の受入れ先として、厚別(あつべつ)区の山本地区、手稲区の金山地区を候補に定めているが、住民説明会ではコンセンサスを得ていない状況が続いている。
このことを受けて鈴木知事は「9月5日付けで、新幹線沿線市町村に対しまして、受け入れ候補地の紹介や、市町村の範囲を越えた発生土の受け入れについて検討いただく旨の文書を出しまして、依頼させていただいたところであります」と述べた。
北海道では、今後の工事進捗により発生土の受入れ先確保がさらに必要になるとしていることから、鈴木知事は「道としても、機構や関係自治体と連携を一層強化しまして、受け入れ地確保に向け、必要な調整を行うなどの役割を引き続き果たしていきたいと思っています」と述べ、積極的に発生土処理に努めていく姿勢を示した。