1便あたりの利用者数は15%に満たず…大阪初のBRT、運行開始から3か月間の暫定実績

大阪市が配布している『いまざとライナー』の利用者向けガイドブック。
  • 大阪市が配布している『いまざとライナー』の利用者向けガイドブック。
  • 『いまざとライナー』の路線図。4~6月の1日平均の利用者数は「長居ルート」のほうが多く、6月は平日に1040人を記録したが、「あべの橋ルート」は1000人台に到達していない。ただし、いずれも暫定的な数字。

大阪市は7月30日、大阪市高速電気軌道(Osaka Metro)今里筋線延伸部(今里~湯里六丁目)で実証運行されているバス高速輸送システム(BRT)『いまざとライナー』の利用状況を明らかにした。

今里筋線は、Osaka Metroの路線で唯一、大阪市中心部を通らないことから、延伸部は採算性の問題からBRTによる運行が計画され、その効果を検証する実証運行が4月1日から行なわれている。

運行ルートは地下鉄今里~抗全(くまた)~湯里六丁目~地下鉄長居~長居西二丁目間の「長居ルート」、地下鉄今里~抗全~あべの橋間の「あべの橋ルート」があり、それぞれ1日あたりの月平均利用者数と1便あたりの月平均利用者数が平日・土曜・休日ごとに公表されている。

それによると、運行開始から6月までの3か月間、両ルートを合計した1日平均の利用者数は、平日は増加傾向にあるものの、土休日についてはゴールデンウィークの時期以外は横ばいの状況だったという。

1便あたりの平均利用者数は両ルート合わせて最大11.1人、最小8.2人で、最大値でも74人乗りのバスを使用して15%に満たない乗車率となっている。

ただし、今回発表された数字は、現金や回数カード、システムが把握可能なICカードによるものを基にした暫定値のため、大阪市では、今後、一定数あると思われる定期券や1日乗車券、企画乗車券などの利用者数を含めた詳細な数字を調査するとともに、沿線住民や事業所などへのビラ配布や車内のモニターを活用した沿線情報の発信といったPR活動にも努めたいとしている。

『いまざとライナー』の実証運行では、3年後に効果の検証を行なった上で需要創出策を講じ、さらに5年程度経過した際に再度効果を検証し、その後の対応を決める方針となっている。

《佐藤正樹(キハユニ工房)》

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