MaaSの概念を導入した世界初の都市交通インフラの実証実験 ZMPと日の丸タクシーほか5社

2018年夏の実証実験で使われたZMPの自動運転タクシー
  • 2018年夏の実証実験で使われたZMPの自動運転タクシー
  • 左から、日の丸交通 代表取締役社長 富田和孝氏、ZMP代表取締役社長 谷口 恒氏、JTBコミュニケーションデザイン営業推進部チーフマネージャー黒岩隆之氏
  • 空港リムジンバスと連携した自動運転タクシーサービスは世界初だという
  • 今年11月に計画している実証実験では自動運転タクシーと空港リムジンバスが連携する
  • プロジェクトの各社の役割
  • 2020年に向けて、サービスを構築していく計画
  • 昨年夏、大手町~六本木の交通密集地域では片道1500円の営業サービス実証が行われた
  • 都内の法人タクシーの稼働率は4台に1台が休眠中(富田社長)

ZMPは7月23日、空港リムジンバスと自動運転タクシー等によるMaaSを活用した、都市交通インフラの実証実験の計画を披露した。空港リムジンバスと自動運転タクシーが連携したサービスは世界初の試みとなる。実施時期は2019年11月、期間は2週間を予定する。

空港リムジンバスと自動運転タクシーがMaaSで結ばれる

参加したのは東京空港交通(以下:東京空港交通)、東京シティ・エアターミナル(以下:T-CAT)、日本交通、日の丸交通、三菱地所、JTB、ZMPの7社。実証実験は、東京都事業である 『自動運転技術を活用したビジネスモデル構築に関するプロジェクト』に基づき行われる。

この実証実験は昨年夏に丸の内エリアにおいて、ZMPが開発した自動運転車両を活用して、日の丸交通が自動運転タクシーとして走らせたのがベースとなっている。その目的は需要が多い、都心部路線でのドライバー不足の解消策や、通信を活用した配車サービスの有用性を検証することだった。

今回紹介された実証実験では規模をさらに発展させ、自動運転タクシーとして日本交通と日の丸交通の2社が参加。成田空港/羽田空港とT-CATを空港リムジンバスで結び、T-CATから丸の内エリアの約3kmのルートは自動運転タクシーをつないで連携させることで、空港から都心部である丸の内エリアへのスムーズな移動を目指す。

中でも注目なのは、このリムジンバスと自動運転タクシーの両方を予約・手配する際に、スマホなどから注文した1つのチケットで利用できるMaaSの概念が導入されていることだ。この手配はJTBが行うことになっていて、同社はMaaSという概念に適応した、新たな旅行サービス商品化に関する検証も行う。

2023年を自動運転タクシー導入期と想定、日の丸交通

この実証実験を行うにあたり、登壇した日の丸交通代表取締役社長富田和孝氏は、タクシー業界の人手不足の深刻さを挙げ「都内の法人タクシーは年々稼働率が低下し、2018年は76.1%にまで低下した。4台のうち1台が休眠状態にある。しかも、タクシードライバーの49.9%が60歳以上という深刻な状態にある」と説明。

導入に期待感のあるライドシェアについても「ライドシェアは日本では“白タク”。台数が増えることで雨天時やラッシュアワー時の移動が容易になり、変動料金によって安価な状態が生まれる一方で、タクシーとしての品質が下がり、白タクドライバーによる犯罪多発の懸念もある。日本のタクシーサービスを維持するためにもライドシェアは導入すべきではない」(富田社長)と述べた。

「そこで期待されるのが自動運転タクシー」と富田社長は語る。「自動運転タクシーを導入した場合、現在のタクシーサービスの73%を占める人件費をなくすことができ、自動運転車両や遠隔監視システムを導入するコストをかけても十分に利益が出せるようになる」と、自動運転タクシーの導入へのメリットを強調した。

また、富田社長の説明の中で2023年を「自動運転導入期」としていることについてZMPの担当技術者は、あくまで技術者として個人的見解としながら、「(日の丸交通が計画している)大手町と六本木間であれば車線数も十分にあり、右折時に矢印が表示される交差点を経由することで無人運転は技術的には可能。万が一のための遠隔操作も必要になると思うが、それまでに法整備がされることが大前提になる」とした。

《会田肇》