パワーアンプの使い方、楽しみ方…ビーウィズには個体差がない

ビーウィズ・P-1R
  • ビーウィズ・P-1R
  • “ビーウィズ・システム”を搭載した“プロショップ ヴォーグ”デモカー。
  • “ビーウィズ・システム”を搭載した“プロショップ ヴォーグ”デモカー。
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クルマの中で良い音を聴きたいと思ったときの方策としてもっとも人気が高いのは、ズバリ、“スピーカー交換”だ。さて、その次には何をすると良いのだろうか。いろいろなアプローチが考えられるその中で、当特集では“外部パワーアンプ”の導入をお薦めしている。

お薦めするにあたりこれまでは、“外部パワーアンプ”を導入する利点、楽しみ方のコツ、製品の選び方等々を多角的に紹介してきたが、その第7回目となる当回では、“ビーウィズ・システム”にフォーカスする。同社の“外部パワーアンプ”を使って構築される独特なシステムについて、そのメリットや楽しみ方等々を解説していく。

なお当特集は毎回、全国の実力カーオーディオプロショップの協力のもと記事を作成している。今回は、千葉県千葉市に店舗を構える有名店、“プロショップ ヴォーグ”の渡邊さんに教えを請うた。興味深い話がたくさん訊けた。じっくりとお読みいただきたい。

“ビーウィズ”のパワーアンプはすべて、“フルレンジモノラルパワーアンプ”。

“ビーウィズ”は、ソースユニットからケーブルまでをフルラインナップする国産ハイエンドカーオーディオブランドだ。なお各製品はハイグレードかつ個性的。“外部パワーアンプ”についてもそれは同様で、用意されている3モデルすべて、パーツのチョイスから回路設計に至るまでこだわりが満載されている。そしてさらに全モデルが“フルレンジモノラルパワーアンプ”だ。結果“ビーウィズ”のパワーアンプを使う場合には、すべて“モノラルパワーアンプ”で“マルチアンプシステム”を構築できる。1つ1つのスピーカーユニットを1台ずつのパワーアンプで駆動する、というシステムを完成できるのだ。

さて、このようなシステムを組むことにはどんなメリットがあるのだろうか。

“ビーウィズ”製品の使い手としても知られている“プロショップ ヴォーグ”の渡邊さんに、まずはそこのところから“教えてもらった。

「ホームオーディオの世界でも、突き詰めると“モノラルパワーアンプ”を使った“マルチアンプシステム”に行き着きます。オーディオ的に“究極的なスタイル”、というわけなんです。

これによって得られる最大のメリットは、ch間での信号の干渉がなくなることです。つまり、chセパレーションが良くなります。伝送回路を別にでき、電源部も各筐体の中に個別に設定されますから、他chの信号が混入しません。結果、S/Nや解像度が上がり、ステレオイメージの再現性も向上します。不必要な音を排除できるので、音楽性も上がります。得られるメリットは多大です」

個体差がほぼないのでchごとのバラつきが出ない。しかも高効率で省電力。

続いては、“ビーウィズ”のパワーアンプだからこその利点を教えてもらった。

「まずは、“個体差がほとんどないこと”が利点です。chごとでパワーアンプを別体化できても、各chの各機に性能的なバラつきがあればメリットが消失しかねません。“ビーウィズ”のアンプならばそのような心配は皆無です。ゲイン調整を行う際には測定器を用いて厳密に設定しますが、個体差がないのでゲイン設定もピタリと揃います。

ところで4chパワーアンプの中には、AchとBchのゲインが共通なモデルもあります。その場合には、1chごとゲイン調整をしなくてすむので便利、と思われるかもしれませんが、私はむしろそれをデメリットだと思っています。AchとBchのゲインが共通だと、それぞれをシビアに追い込めないんです。大概のパワーアンプは多少なりともchごとの個体差があり、ゲイン調整にも微妙な差異が生じます。しかしゲインが共通だとそこのところには手を着けられません。

しかし“ビーウィズ”のアンプを使えば、各chのゲイン設定を厳密に追い込めます。しかも性能のバラつきがないので、chごとのコンディションが揃います。ゆえに最終的な調整もしやすくなります。

熱の発生率が少ないこともストロングポイントです。“ビーウィズ”のパワーアンプには放熱のためのヒートシンクやファンが備えられていません。発熱量が微細なのでそれらが必要ないんです。なのでインストールにおいても熱対策を考えなくて良いので合理的に取り付けられます。パワーアンプ自体もヒートシンク等がない分小型化されていて、5台とか6台並べても案外かさばりません。

そして消費電流も少なめです。電気の使用効率が高いんです。台数を多く使う割に電気も食いません」

“レギュレーター”を使っての効率的な配線が可能! ノイズ除去効果も発揮!

取り付けに関する話が出たので、素朴な疑問をぶつけてみた。“モノラルパワーアンプ”を多数使う場合、電源配線が面倒になることはないのだろうか。

「当店ではパワーアンプの直前に“レギュレーター(安定化電源)”を置くことをお薦めしています。そして、メインバッテリーから“レギュレーター”まで1系統の電源配線を行い、パワーアンプ各機には“レギュレーター”から分配させます。このようにしてワイヤリングを効率化させています。ちなみに“レギュレーター”は、ノイズ除去の効果も発揮します。その意味でも使うべきアイテムだと考えています」

ところで“ビーウィズ”では、“プロセッサー”にもモノラルタイプを用意している。

「究極を目指すのであれば、プロセッサーもモノラル化させたいですね。chセパレーションが一層高まることは確実です。しかし予算的なハードルも相当に上がります。なので当店では、左右を別ch化できる『STATE A6R DUAL』をお薦めしています。左右で分けられるだけでも相当に音に効きますから。

ところで、“ビーウィズ・システム”は高額というイメージを持たれがちですが、実はそうでもないんです。確かにプロセッサーのモノラルモデルは相当に高級ですが、パワーアンプの各機は案外リーズナブルです。そして“ビーウィズ・システム”ではフロントスピーカーは2ウェイが基本なので、フロント2ウェイ+サブウーファー×1発というスピーカーレイアウトならパワーアンプは5台ですみますし。得られるサウンドのクオリティから考えると、コストパフォーマンスは高いです。

システム構築にはさまざまな選択肢がありますが、“ビーウィズ・システム”は有力な候補に成り得ます。これを選んで後悔することはないはずです。おすすめ度は高いです」

いかがだったろうか。ハイエンドシステムの構築に興味があれば、“ビーウィズ”にも大いに注目してみよう。独特な、そして上質なサウンドを手にできる。要チェック。

《太田祥三》

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