【レンジローバー イヴォーク 新型試乗】外見はキープ、だが中味を知れば「似て非なるもの」 …中村孝仁

レンジローバー イヴォーク 新型(RダイナミックHSE P300 MHEV)
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外観はキープコンセプトだが

すでに海外試乗の記事がネットを賑わしていたから、その姿形だけは把握していた。何か代わり映えしないなぁ…。これが当初の印象であった。

実は試乗会当日、家を出る時は篠突く雨。これじゃあ試乗会もお流れか…そんな気分で会場に向かったのだが、折からの雨のせいか、高速を降りるところから大渋滞に見舞われ大幅な遅刻。それでも受付でクルマ余ってます?と聞くと。最上級仕様の「P300」がありますよとのこと。これ、実は48Vのマイルドハイブリッド仕様のモデルで、今回のイチオシモデルだから躊躇なくそれを選択した。

一通りの説明の後、早速試乗。やはり外観から見る新しい『イヴォーク』は、変わり映えしなかった。まあ、好意的に見ればキープコンセプトというやつだ。でも先代のスタイルは好感を持って受け入れられていたはずだから、この選択は正しいように思う。一方で乗り込んで室内を見渡すと、これが雲泥の差で、新しさに漲っていた。


わかり易く言うとインテリアはまるで『ヴェラール』である。先代を試乗した時に撮っておいた写真と見比べると、そのシンプルで明快なデザインは大きな世代間ギャップを感じさせる。先代も試乗した時は決して悪いデザインとは思わなかったのだが、新しいインテリアと横並びで見比べると、その雑然としたさまが一目瞭然で、如何に新しいモデルがすっきりとして、クリーンなデザインであるかわかる。もっとも使い勝手に関しては僅かな試乗時間でそれを極めるのは困難だから不明だが、ヴェラールと同じなら、それほどまごつくようなことはないような気がする。

プラットフォームを一新


さて、今回のイヴォーク、プラットフォームを一新している。新しいプラットフォームはPTAと呼ばれるそうだが、改善箇所はホイールベースの延長と強固なサブフレームを持ったことで、13%ほど引き上げられた剛性など。また、先代では収納に対するコンプレインがあったとかで、その部分を改善したり後席のスペースを改善したりと言った要素が含まれていた。

とは言うものの、試乗時間は100分。残念ながら後席の居住性を確かめるには至っていない。それでも乗り出してすぐにその剛性感の高さや静粛性の向上などが確認できた。

MHEVとしての目新しいところでは、車両停止前の17km/hでエンジンを停止してしまうこと。さらに1500rpm~2000rpmまではモーターアシストで加速し、そこから上はターボにバトンタッチするようなシステムにされていて、結果として6%の燃費向上が図られたそうだ。しかし、まず燃費に関しては短い試乗時間では不明。次に1500rpm~2000rpmをモーターアシストするというが、モーターによる明確な加速感は正直なところ分からなかった。


ただしこのクルマ、不思議な動きをする。それは意図しないで微妙なアクセルコントロールをして、キックダウンしないレベルでゆっくりと加速していくと、ターボともNAとも違う、不思議な加速感が味わえる。どうやらこれがモーターアシストの加速感のようだが、不思議に思ってそれを再現しようとしても今度はなかなか味わえなかった。車速にすると一般道を40km/h~60km/h程度にのんびり走っている時のアクセルワークでそれが味わえた。

先代とは似て非なるもの


シートはユーカリテキスタイルという自然素材を使用したもので、テンセルというのだそうだが、これ、実はパルプが素材。ネットで調べてみると肌触りが良くシルクのような光沢を持ち、吸湿性が高いというメリットを持つ反面、摩擦に弱くしわができやすいとか、虫食いやカビが生えやすいというデメリットもあるということなのだが、このデメリット、クルマにとっては最悪なはずだから、何らかのソリューションを見つけてこのクルマに採用しているものと思われる。いずれにしてもフィット感は素晴らしく良く、非常に快適であった。

他にもシャークフィンアンテナにカメラを仕込んで、後方をリアビューミラーに写し出すクリアサイトルームミラーや、フロントグリルやボディ両サイドのカメラを使ってボディ下を仮想現実として映し出すクリアサイトグランドビューなどは多くのメディアで取り上げているので割愛。

乗り味は先代をさらに快適に静粛性高くして、外観はともかく特に内装で大きな進化を遂げさせたという印象だった。だから、試乗前の代わり映えしないなあという印象から試乗後は似て非なるものへと変わったのがとても印象的だった。

今回の試乗コースではさほど大きな障壁にはならなかったが、実は全幅が1996mm(カタログ値)もあって、狭い都市の道路などでは苦労しそうだし、なにより白線が引かれた駐車場ではしんどそうだ。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア居住性:★★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★★
おすすめ度:★★★★

中村孝仁(なかむらたかひと)AJAJ会員
1952年生まれ、4歳にしてモーターマガジンの誌面を飾るクルマ好き。スーパーカーショップのバイトに始まり、ノバエンジニアリングの丁稚メカを経験し、その後ドイツでクルマ修行。1977年にジャーナリズム業界に入り、以来42年間、フリージャーナリストとして活動を続けている。 また、現在は企業向け運転講習の会社、ショーファデプト代表取締役も務める。

《中村 孝仁》

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