【スーパーフォーミュラ 第4戦】新人アレックス・パロウが今季2度目の金曜トップタイム、狙うは初優勝

今季新人の#64 アレックス・パロウが富士戦の金曜トップタイムをマーク。
  • 今季新人の#64 アレックス・パロウが富士戦の金曜トップタイムをマーク。
  • やはり新人の#51 ハリソン・ニューウェイが金曜2番手タイム。
  • 金曜走行3番手、トヨタ勢首位タイムをマークした#36 中嶋一貴のマシン。
  • 金曜4番手タイムの#3 山下健太。
  • 金曜5番手タイムの#39 坪井翔。
  • 今回からSFに参戦する#15 パトリシオ・オワードは、金曜20番手タイム。
  • DOCOMOダンディライアンの(左から)#5 福住仁嶺と#1 山本尚貴。
  • ナカジマレーシングの(左から)#64 パロウ、中嶋悟監督、#65 牧野任祐(写真は開幕戦)。

12日、全日本スーパーフォーミュラ選手権(SF)第4戦に向けた予選前日のコース専有走行(金曜フリー走行)が富士スピードウェイで行なわれた。今季新人のアレックス・パロウが開幕戦以来2度目の金曜トップタイムをマークし、好調ぶりをアピールしている。

6月にあった前戦(第3戦SUGO)に続き、空模様とのにらめっこが各陣営の課題になりそうなウイークエンド、この日午後の富士の天候は概ね曇りでの推移に。SFの走行が実施されたのは14時50分~15時50分で、この間に明確な降水はピット近傍では認められず、路面は当初のセミウエット的な状態から、次第にドライ化していった。タイム水準的には完全ドライに近いともいえるセッション、ただし温度条件は7月とは思えないほどに低い。

今回も出走は20台。全車が今季導入の「ダラーラSF19」で、タイヤも全車ヨコハマ製、エンジン的にはホンダ勢9台、トヨタ勢11台という台数分布で変わりないが、ドライバー変更が1件ある(他の19人は第2~3戦と同じ顔ぶれ)。

ニューカマーの名はパトリシオ・オワード、メキシコ籍の20歳で、今回からTEAM MUGEN(エンジンはホンダ)の15号車レッドブル号に乗る。オワードは昨季の米国インディライツでチャンピオンになった新進気鋭で、アッパークラスであるインディカー・シリーズに昨季最終戦でデビュー、今季も7戦に出走している。

今季途中からレッドブルのジュニアドライバーとなり、FIA-F2にも急遽の参戦をするなどしているオワードだが、その彼に日本での新たなチャンスが与えられることとなった。この日は1分25秒535がベストで20番手(トップと2.248秒差)。レッドブル系期待の新星ということは、状況次第で将来ホンダF1のドライバーになる可能性をも有するわけだが、そのオワードがSF初実戦の予選~決勝でどんな走りを見せるのか。今週末の注目選手のひとりである。

金曜の走行セッションはトヨタ勢がタイム上位という形勢で流れていったが、最終的にはホンダ勢の今季新人が1-2タイムというかたちに収束した。#64 A.パロウ(TCS NAKAJIMA RACING/ホンダ)の1分23秒287がトップで、これに#51 H.ニューウェイ(B-Max Racing with motopark/ホンダ)が1分23秒569で続いている。

金曜のタイムが参考レベルに留まるものであることは言わずもがなだが、スペイン籍の22歳、一昨年の全日本F3選手権シリーズ3位の実績も有する#64 パロウは、SFデビュー戦の開幕戦鈴鹿でも金曜首位だった。シーズンオフのテストからスピードをアピールしてきており、“本番”でも予選で2位(開幕戦)、決勝で6位(第2戦オートポリス)がベストと、既に一定の結果を残してきてもいる。

#64 パロウは「ベリーグッド、パーフェクトだと思う」と語り、マシンの仕上がりに大きな手応えを感じている様子。「まだ改善の余地もある。今日はストレートスピードではライバルたちに少し負けていたようだけど、これからチームとしっかり解析して、そこもキャッチアップしていきたい」と、とてもポジティブかつ意欲的だ。

予選~決勝はウエットとなる可能性も高いが、「ウエットだろうね(笑)。でも、このマシンは雨でもとてもドライブしやすいし、今季ここまで雨での走行量は少なめかもしれないけれど、ドライでもウエットでも我々(のチーム)は良いパフォーマンスで戦えると感じている」と、#64 パロウは自信を見せる。目標は「優勝、それしかない。予選ではもちろんポールポジション(が目標)だ」。

同じく今季新人で、やはり速さをアピールしている開幕戦ポールシッターの僚友 #65 牧野任祐(ただすけ/今回金曜9番手タイム)とともに、パロウは中嶋悟監督率いる名門チームの復権に向けての牽引役となっており、シリーズを活性化するキーファクターともなってきている。予選と決勝での目標達成なるかどうか、今回もその活躍が大いに期待される存在だ。

金曜の3番手タイムは1分23秒611をマークした世界耐久選手権(WEC)チャンピオンの#36 中嶋一貴(VANTELIN TEAM TOM'S/トヨタ)。以下、5番手までトヨタ勢が並び、4番手は近藤真彦監督率いるチームの昨季チーム部門タイトル獲得に貢献した#3 山下健太(KONDO RACING/トヨタ)、5番手には昨季の全日本F3王者で今季SFルーキーの#39 坪井翔(JMS P.MU/CERUMO・INGING/トヨタ)が続いた。今季ここまで全戦で決勝2位以内のポイントリーダー、昨季のSFチャンピオンでもある#1 山本尚貴(DOCOMO TEAM DANDELION RACING/ホンダ)は初日14番手タイムの発進。

SF第4戦富士の3段階ノックアウト予選は、明日(13日)の午後2時45分開始予定となっている。

《遠藤俊幸》

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