重要機器を固定するボルトを支えるパーツに異常…つくばエクスプレスのTX-2000系

以前はドアが勝手に閉まるトラブルも発生したことがあったTX-2000系電車。
  • 以前はドアが勝手に閉まるトラブルも発生したことがあったTX-2000系電車。
  • 主変換装置の取付け状態。
  • 「機器吊り用レール」のひび割れ位置。
  • ひび割れの状態。

秋葉原駅(東京都千代田区)とつくば駅(茨城県つくば市)を結ぶ、つくばエクスプレス線(TX)を運営する首都圏新都市鉄道は5月24日、TX-2000系電車の一部に「構体床板(機器吊り用レール)」の不具合が発生していたことを明らかになった。

TX線は秋葉原~守谷間が直流1500V、守谷~つくば間が交流2万Vで電化されているため、全線を直通できる交直両用車としてTX-2000系が運用されている。その床下には、単相交流から直流に整流するコンバータと、直流から三相交流へ変換するインバータ、制御装置などが一体に収められている「主変換装置」という重要な機器が搭載されている。

今回は、TX-2000系第73編成の4号車において、全般・重要部検査の際に行なうボルトやナットの打音検査で、通常とは異なる音が聞こえたため目視したところ、主変換装置を固定するボルトを支えている「機器吊り用レール」という部分にひび割れを発見したという。

当該編成の他の3両(2・3・5号車)についても同様の現象が確認されており、首都圏新都市鉄道では「過去に同様の事象があったことがないと認識されるもの」として、他のTX-2000系に対しても調査を行なったところ、5月11日までに第72編成の2両(2・3号車)でも同様の状態を発見。それ以外の編成については異常がないことを確認したとしている。

また、5月11日からは直流専用車のTX-1000系電車に対しても検査を実施しており、5月24日時点では同日検査分の12両を除いて異常がないことを確認しているという。

TX-2000系は日立製作所(日立)製で、2005年8月のTX線開業当初から運行を開始。現在、6両編成23本が在籍しているが、第72・73編成は2012年5月に増備された2次車だった。

この2編成はすでに営業運行から外されているが、製造元の日立からは「72編成及び73編成の車両製造過程のなかで何らかの問題があった可能性がある」という報告を受けていることから、首都圏新都市鉄道では「今後、車両メーカーとともに、さらに詳細な調査を行い、原因及び復旧方法を特定してまいります」としている。

《佐藤正樹(キハユニ工房)》

【注目の記事】[PR]

編集部おすすめのニュース

特集