小田急12年ぶりの新型通勤車両「5000形」…車内空間の広さで混雑緩和をアピール 2019年度にデビュー

「時代を越えてお客さまの生活に溶け込むよう、価値観の変化にとらわれないシンプルなデザイン」にしたという5000形はオールステンレス車体で、先頭車はスピード感を感じる流線型となる。側面にはアズールブルーとインペリアルブルーの帯が入る。
  • 「時代を越えてお客さまの生活に溶け込むよう、価値観の変化にとらわれないシンプルなデザイン」にしたという5000形はオールステンレス車体で、先頭車はスピード感を感じる流線型となる。側面にはアズールブルーとインペリアルブルーの帯が入る。
  • 5000形の車内イメージ。仕切り扉や荷棚、座席横の袖仕切り部に大型の強化ガラスを使用。天井はLED照明で、閉塞感を緩和するために埋込み型となる。各車両には空気清浄機を8台、防犯カメラを4台、車椅子スペース1か所をそれぞれ設置。防犯カメラは小田急の通勤車両初となる。
  • 2017年3月に登場した30000形「EXE」のリニューアル車「EXEα」。2019年度は既存の30000形1編成が「EXEα」化される。
  • 1000形は2編成がリニューアルされ、車椅子スペースや車内LCD表示器、自動放送装置を設置。制御装置の更新や車内照明のLED化、主電動機やコンプレッサなど床下機器の低騒音化も図られる。

小田急電鉄(小田急)は4月26日、2019年度中に通勤車両として「5000形」を導入すると発表した。

川崎重工業と総合車両製作所で製作される、小田急電鉄としては12年ぶりの新型通勤車両で、2019年度には10両編成1本、2020年度には10両編成5本の計60両が導入される予定。

2018年3月に完成した代々木上原~登戸間の複々線化による混雑緩和を実感してもらえるよう、「車内空間の広さ、明るさ、安心感、優しさを追求したデザイン」としており、全体的に空間の広がりに配慮した設計がなされている。

制御方式には、省エネ性が高いSiC素子を用いたVVVFインバータを採用しており、回生電力量を増大させる新たな制御方式の導入や、すべての照明のLED化による省エネ化も図られる。

主電動機(モーター)やコンプレッサ、空調装置、駆動装置をそれぞれ低騒音型とするなど、環境に配慮するほか、車両の異常な動きを検知して自動的に緊急停止させる装置や、大容量の車両モニタリングデータを地上へ伝送できる次世代型の車両情報管理装置とその車上装置も搭載し、安全面も配慮される。

なお、小田急では2019年度の鉄道事業設備投資計画も発表しており、1996年に登場した特急ロマンスカー・30000形「EXE」1編成を、座席の居住性などを改善した「EXEα」にリニューアル。通勤車両では1000形2編成をリニューアルすることが盛り込まれている。

《佐藤正樹(キハユニ工房)》

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