クリオは1990年の初代発売以来、全世界で累計約1500万台を販売しており、ルノーグループの最量販モデルだ。また2013年以来、欧州Bセグメントの販売トップに立っており、ルノーは新型でも欧州Bセグの首位を維持することを目指す。先代モデルは4世代目で、2012年秋にフランスで開催されたパリモーターショー2012でワールドプレミアされた。新型はおよそ6年半ぶりのモデルチェンジを受けて、5世代目モデルとしてデビューした。
◆新開発ハイブリッドは都市走行の8割をEVモードでゼロエミッション走行可能
新型は、ルノーグループが新開発したハイブリッド技術、「E-TECH」を搭載する最初のルノー車になる。E-TECHは、ルノーのエンジニアリングによって開発され、特許を取得。ルノー日産三菱アライアンスで、構造部品を共用する。システムは、新世代の1.6リットル直列4気筒ガソリンエンジンに2つの電気モーター、マルチモードギアボックス、蓄電容量1.2kWhのバッテリーを組み合わせる。

ルノーによると、都市部の走行では、その8割をEVモードでゼロエミッション走行が可能。市街地走行では同クラスのガソリン車と比較して、最大4割の燃費向上を可能にしているという。このE-TECHハイブリッド搭載車は、2020年に欧州で発売される予定だ。
また新型は、ルノー日産三菱アライアンスが開発した「CMF-B」プラットフォームを最初に採用するルノー車になる。
◆ヘッドライトやテールランプはCシェイプが特徴
新型のエクステリアは、先代モデルのエモーショナルなフォルムを継承しながら、よりダイナミックなデザインを目指した。フロントグリルは大型化され、フロントバンパーはエンジン冷却性能に配慮し、大型のインテークを備える。

新型には、新色のバレンシアオレンジとセラドンブルーを含めて、全10色のボディカラーをラインナップする。エクステリアのカスタマイズパックとして、赤、オレンジ、黒の3タイプを用意した。

やや高い位置にあるセンターコンソールには、ショートストロークのシフトレバーがレイアウトされた。トランク容量は391リットルで、内部に26リットルのサブスペースを持つ。ルノーによると、391リットルの容量は、セグメント最大になるという。
カスタマイズパックでは、センターコンソール、ダッシュボード、ドアトリム、ステアリングホイール、アームレストなどに、ユーザーの個性を反映できる。顧客は、8つ以上のインテリアデザインスキームから選択することが可能だ。
◆最新のコネクティビティ技術を反映させた「スマートコクピット」採用
新型クリオのインテリアの特徴が、最新のコネクティビティ技術を反映させた「スマートコクピット」の採用だ。ダッシュボード中央には、欧州Bセグメント車でクラス最大級の9.3インチ縦型マルチメディアモニターを装備する。

また新型では、ドライバー正面のメーターパネルがデジタル化されたデジタルコクピットを採用する。メーターのTFTスクリーンには、ドライバーにナビゲーションを含めた各種情報を見やすく表示する。ワイヤレスでスマートフォンを充電することもできる。