トヨタが今期売上高30兆円目前、危機感と背中合わせの過去最高更新へ[新聞ウォッチ]

トヨタ自動車堤工場
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気になるニュース・気になる内幕---今日の朝刊(朝日、読売、毎日、産経、東京、日経の各紙・東京本社発行最終版)から注目の自動車関連記事をピックアップし、その内幕を分析するマスコミパトロール。

2018年11月7日付

●熟練資格3業種見送り、建設・車整備は創設(読売・2面)

●計画運休前日までに発表、JR東(朝日・1面)

●トヨタ売上高最高へ、19年3月期、29兆5000億円に修正(朝日・6面)

●自動車税巡り経産省VS.総務省「取得減税を」「道路財源必要」(朝日・7面)

●社説、スバルの不正、背水の覚悟が必要だ(朝日・14面)

●地銀やバス経営統合推進、首相指示、特金望適用を緩和(産経・1面)

●大変革期トヨタ危機感、自動運転や電動車へ巨額投資(産経・12面)

●板橋ナンバー決まる、20年度交付(東京・18面)

●都バス乗客けが年110件、議会委報告(東京・26面)

●社説、自動車「ソフト化」への備えを急ごう(日経・2面)

●東南アジア新車販売が減速、9月3%増、マレーシア新税反動(日経・11面)

●ニュース一言、日野自動車・下社長(日経・17面)

●三菱自、純利益7%増、4~9月、中国・東南アジア販売増(日経・19面)

ひとくちコメント

売上高が前年同期比3.4%増の14兆6740億円、最終利益が16.0%増の1兆2423億円という好決算となったトヨタ自動車の2018年9月中間連結決算。このうち、売上高は中間決算としては、過去最高を更新したという。

また、19年3月期の業績見通しは、売上高が当初予想の29兆円(前年比1.3%減)から29兆5000億円(0.4%増)に引き上げ、18年3月期の29兆3795億円を上回る見通しで、営業利益は前年とほぼ同額の2兆4000億円、純利益も7.8%減の2兆3000億円となる見通しだが、いずれも当初計画を上方修正した。

きょうの各紙も「トヨタ 売上高最高へ」(朝日)、「トヨタ 売上高29.5兆円、通期予想上方修正 過去最高に」(産経)などと、通期が30兆円に迫る売上高が過去最高を更新することに焦点を当てたほか、日経は「トヨタ純利益2.3兆円、今期上方修正、アジア好調」、毎日は「トヨタ黒字1兆円、9月中間、中国・欧州で好調」としている。

ただし、好決算と背中合わせなのが「好調に潜むリスク」。東京は「トランプ米政権による保護主義的な政策は、日本経済の屋台骨を支えてきた自動車メーカーを大きく揺さぶり始めている」としながら「6日の米中間選挙の結果次第では貿易摩擦が厳しさを増す可能性があり、自動車業界の幹部らは行方を注視している」と伝えている。

日経も「米中両にらみトヨタ難路、貿易戦争や政治リスク警戒」とのタイトルで「不確定要素が増すなか、トヨタが世界上位に上り詰めた従来の方程式は成り立たなくなる。好決算が続く中でもコスト削減で収益力を高め、先端分野に再投資できる体制の構築が急務になる」と指摘する。

さらに、産経は「大変革期トヨタ危機感、自動運転や電動車へ巨額投資」とのタイトルで、「自動車産業の大変革期を勝ち残るためには、コスト削減など既存事業の収益力をさらに強化する必要があり、同社の危機感は強い」と取り上げている。

トヨタの中間決算の発表会見では小林耕士副社長のほか、営業部門を統括するディディエ・ルロワ副社長と北米トヨタの代表を務めるジム・レンツ専務も出席した。

ルロワ副社長が、「競争力強化・持続的成長に向けた販売の取り組みについて」スピーチ。レンツ専務が北米市場の現状などを同時通訳付きで報告した。「スピード感」を重視する経営方針は理解できるが、それにしても決算発表の限られた時間とはいえ、両氏の話す速度も速すぎてメモを取る余裕もなかったほどである。

《福田俊之》

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