AIがEV用モーターを最適設計、明電舎と北海道大学がプログラムを共同開発

明電舎と北海道大学が共同開発したAIを用いたトポロジー最適化手法によるEV用モーターの設計支援プログラムの概要
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明電舎は10月31日、北海道大学とAI(人工知能)を用いたトポロジー最適化手法(NGnet法)を使ってEV用モーターの最適設計を支援するプログラムを共同開発したと発表した。

設計支援プログラムにより、省エネ・高効率が求められているEV用モーターの最適なローター形状を自動探索し、設計することが可能になるとしている。2012年から共同研究し、今回開発を完了した。

設計支援プログラムは、EV用などで多く使われるPMモーターというローター内部に永久磁石を埋め込んでいるモーターの設計が対象。従来は設計者の経験やシミュレーションと実験データを基にローター内の磁石や空隙の形状を決めてきたのに対し、AIを用いることで最適な形状を自動で求められる。

NGnet法の確立と実際にモーター設計へ適用した場合の有効性を確認した。既存の最適化手法では、最適化結果に多くの空隙ができてしまうため実用に耐えられなかった。そこで材料が細かく分離しないNGnet法を開発し、実用に耐えることが可能な形状を得られるようにした。

また、モーターの主要な特性であるトルクやトルクリップルだけではなく、モーター設計時に必要なエネルギー損失や強度も考慮し、自動でローターの最適形状を得ることが可能になったとしている。製作可能な形状にするための手直しでも、モーター特性に強く影響するため変更してはいけない部分と、あまり影響しないため、変更してよい部分が設計者に分かるように可視化、形状の修正を容易にした。

明電舎は今回開発した設計プログラムを用いてEV用モーターをはじめ、各種モーターの設計開発を積極的に進めていく。

《レスポンス編集部》

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