【浦島ライダーの2輪体験記】ホンダ モンキー125は、「ま、いっか」と思う。

モーターサイクル 新型車
ホンダ モンキー125
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16歳の誕生日と共に原付免許を取り、でも、20代はクルマに夢中。アラサーでリターンライダーになるも、40代は仕事に忙殺される。そしてアラフィフで2輪に再々入門。そんな浦島ライダーが、最新のバイクをチェックしていきます!

最高のお散歩バイク「モンキー125」


予想していたけれど、予想以上にホンダの新型『モンキー125』は、最高のお散歩バイクだった。

そろそろ秋の気配を感じさせる夏の終わりごろ。晴天の下、空冷単気筒エンジンの音と振動を感じならモンキー125で都内をトコトコ走っていると、仕事もお金も人間関係も「ま、いっか」という気持ちになるから不思議ですね。ま、いっか、で済まないのが大人の世界というものですが、それはともかく、モンキー125は、乗っているだけで、知らず知らずのうちに身も心もリフレッシュ&リラックスさせてくれる。

まず着座姿勢がいい。モンキー125のベースとなった…というか、多くのコンポーネンツを共有する先行モデル、グッとモダンなスタイルを採る『グロム』は2人乗りだけれど、モンキーは1人乗り。前者は、一体型のシートがはっきり前後に分けられるので、ライダーはどうしても足を折って前寄りに座ることになる。前のめりにスポーティな感じでそれはそれでいいのだが、一方、モンキーはシートクッションを独り占めできるので、オシリを後ろに置いて、足まわりも比較的余裕を持ったままバイクに乗っていられる。

自然と膝でタンクを挟むカタチになるグロムに対し、モンキー125はプチアメリカンな感じ。両手の位置も若干高めで、アップライトなポジションとなる。アンコがいっぱい入ったソフトなシートもいいですね。シート幅が意外とあるのが、若干、足つきに影響するが、シート高は十分に低い760mm。そのうえ車重が104kgしかないので、小柄なライダーでも問題なく乗れるはず。

「グロム」と差別化したライドフィール


エンジンは、基本的にはグロムと同じ124ccの単気筒OHCエンジン。最高出力は、グロムより0.4ps低い9.4ps/7000rpm、1.1kgm/5250rpmの最大トルクは同一値。組み合わされる4速のギア比は変わらない。

各ギアを目一杯使っても絶対的には速くはないけれど、流れの速い幹線道路でも過不足なく走れる動力性能を持つ。アイドリング時には、いかにもシングルシリンダーらしい元気な音と振動は、交通の流れに乗るころには大きめのハミングとなって、乗り手の気持ちをケバ立てることがない。

感心するのは、ライドフィールでも上手にグロムと差別化していること。動力系のスペックやフロントフォークのキャスター角は両者同じだが、モンキー125の方がずっとゆったり走っていられる。ひとつにはライディングポジションが楽なこと。もうひとつ、タイヤの扁平率が前後ともグロムの70から80に厚くなっていて、ロールのし始めにすこーし抵抗感がある。これが、直進時の安定性に寄与しているのだと思う。

フロントフォークは驚くことに(!?)倒立式で、モンキー125、見る角度によってはなかなかアグレッシブだ。とはいえ、セッティングはずいぶんとソフト寄り。まあ、頑張ってコーナリングしても、足まわり云々の前に、やわらかなシートがグニャリと潰れてやんわりとライダーをいさめるので、すぐにトバす気をなくすのだが。

マイペースで走るのが楽しい


トコトコ、トコトコ、モンキー125はマイペースで走るのが楽しい。50cc時代の、制限速度30km/hや二段階右折といった束縛から逃れられたのも嬉しい。以前のマイクロサイズのモンキーへの愛着が強くて、新型は「なんだか普通になっちゃったなァ」と感じている方も、ひとたび試乗してみれば、「ま、いっか」と思うのでは。

なお、試乗車のモンキー125は、ABS付きだった。ABSは、前輪にのみ装着される。緊急時の急ブレーキ以外にも、たとえば雨の日に、赤信号でブレーキをかけながら停止線にアプローチする際、金属のマンホールを踏んだときにも細やかにABSが作動する。安心感が高い。日常的に使ううえでの保険としても、ありがたい装備だ。

新型モンキーのボディカラーは、「赤/白」と「黄/白」の2種類。ベースのモンキー125が39万9600円。ABS付きが43万2000円となる。

《ダン・アオキ》

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