日野自動車の佐藤真一取締役専務役員は7月27日に都内で開いた決算説明会で、子会社の工場火災の影響で、大中型トラックの生産を25日から1週間休止していることについて、「生産の遅れは出るが、年度で挽回する」との見通しを明らかにした。
日野は、子会社の福島製鋼の吾妻工場(福島県福島市)で7月13日に火災が発生したことで部品供給が滞り、古河工場(茨城県古河市)での大中型トラックおよび海外生産用KDの生産ラインを25日から31日まで休止している。
佐藤専務は「小型車、またトヨタからの受託車については生産に影響はないが、大中型車の生産は7月末までの1週間、停止ということになる。これによって生産の遅れは出るが、年度で挽回するということで今、対応を詰めている」と述べた。
8月1日から予定通り生産を再開する見通しだが、佐藤専務は「9月末時点での挽回は非常に難しいと思っているので、計画の進捗という意味では中間期では若干マイナス、これを年度末までに挽回したいと思っている」とも話し、上半期(4-9月期)の業績は期初の計画を下回るとの見通しを示した。
一方、日野が同日公表した2019年3月期第1四半期(4-6月期)連結決算は国内外での販売が好調に推移したことで売上高が前年同期比18.8%増の4672億円と過去最高を更新した。
日野の第1四半期のグローバル販売台数は前年同期比19.4%増の4万7952台で、このうち海外が同17.3%増の3万2572台、国内は同24.0%増の1万5380台だった。
佐藤専務は「グローバル販売台数、海外販売ともに第1四半期として過去最高の販売となった。海外はすべての地域で前年を上回り、全体的に好調。国内は小型トラックの販売が非常に好調。昨年から安全装備を標準装着したことが大変市場から好評を頂いている」と述べた。
第1四半期の営業利益は同18.9%増の191億円と2期連続の増益となった。佐藤専務は「営業利益は環境面、原価変動でマイナス要因があったが、主として販売面で大きく伸ばしてカバーし増益を確保した。販売台数の増加が主となるが、我々がトータルサポートと位置付けている保有ビジネスにおいても着実に収益を伸ばすことができた。また昨年、国内の大中型トラックを新型車に切り替えたことによる採算改善効果も含まれている」と解説した。
また佐藤専務は「ほぼ計画通りの進捗と評価している」とした上で、「年度見通しは据え置きとする」とした。2019年3月期通期では売上高で前期比1.2%増の1兆8600億円、営業利益が同3.3%増の830億円を見込んでいる。