新幹線札幌開業時には「経営自立」…JR北海道が運賃値上げなどの経営再生策を明らかに

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北海道新幹線が札幌まで到達する予定となっている2030年度を「経営自律」の契機とし、それまでに国などに支援を求めたJR北海道。
  • 北海道新幹線が札幌まで到達する予定となっている2030年度を「経営自律」の契機とし、それまでに国などに支援を求めたJR北海道。
  • 経営基盤の強化策としては、普通列車を観光列車化する取組みにも言及。6月18日からは、キハ40形を使用する「北海道の恵み」シリーズの第3弾として、道南エリアの函館~長万部間に「道南 海の恵み」が運行を開始した。これはそのイメージ。
JR北海道は6月18日、札幌市内で6月17日に開催された「JR北海道の事業範囲見直しに係る関係者会議」の概要を明らかにした。

この会議は、4月11日に初めて開催され、今回で2回目となる。JR北海道、国土交通省、北海道、北海道市長会、北海道町村会、JR貨物の6者が出席し、JR北海道の事業範囲見直しに関する情報共有を図るとともに、JR北海道グループとしての「経営再生の見通し」が示された。

それによると、インバウンド観光客を意識した経営基盤の強化策として、小樽~札幌~新千歳空港間で運行されている快速『エアポート』など札幌都市圏における輸送力の増強や北海道新幹線札幌開業時の高速化、観光列車「北海道の恵み」といった普通列車を観光列車化する取組み、外部事業者による観光列車の運行などが挙げられた。

このうち、北海道新幹線札幌開業については、JR北海道が「経営自立の契機」と捉えており、東京~札幌間の到達時間が現行で5時間強に想定されているものを4時間半程度までに短縮し、移動手段としての魅力を向上させたいとした。

そのために、新幹線と貨物列車が共用している海峡線(新中小国信号場~木古内間)で最高速度が140km/hに留まっていることや、貨物列車の運行コストの大部分を負担しているなどの解決を望むとともに、維持・管理に莫大な費用を要している青函トンネルについては「当社だけでは対応が困難」として、国に対し「貨物列車の走行割合が高いことなどの北海道の特殊性を踏まえた支援」を求めた。

一方、経営再生のための課題として「当社単独では維持することが困難な線区」への対応策も示されており、留萌本線(深川~留萌間)など輸送密度が200人未満の線区は「鉄道よりも便利で効率的な交通手段に転換」、宗谷本線(名寄~稚内間)など輸送密度が200人以上2000人未満の線区については、徹底した収支改善を図り「地域の皆様との連携による持続可能な交通体系の構築、定期的な検証」を行なうとし、国や北海道、地域へ支援を求めた。

このほかの経営再生策としては、資産売却や経営安定基金運用益の最大限の確保、役員報酬カットの継続、マンション販売事業への参入、ワンマン化や駅要員削減といった合理化策の拡大、利用の少ない駅の廃止、使用頻度が低い副本線や踏切といった地上設備の廃止などが挙げられている。

その上で「地域交通の維持並びに安全性及びサービス水準の維持・向上を図るため」として、運賃値上げにも言及した。値上げされれば、JR北海道としては1996年以来の運賃改訂となる。
《佐藤正樹(キハユニ工房)》

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