【WRC 第7戦】最終ステージで逆転! ヒュンダイのヌービルが0.7秒差でイタリア戦に勝利…トヨタのラッピが3位表彰台を獲得

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優勝を飾った#5 ヌービル(右。左はコ・ドライバーのN.ジルソー)。
  • 優勝を飾った#5 ヌービル(右。左はコ・ドライバーのN.ジルソー)。
  • #5 ヌービルが逆転優勝。
  • 2位に敗れた#1 オジェ。
  • ラリーイタリアの表彰式。
  • 歓喜のヒュンダイ陣営スタッフたち。
  • トヨタ最上位は3位の#9 ラッピ。
  • 3位に入った#9 ラッピ(右。左はコ・ドライバーのJ.フェルム)。
  • エサペッカ・ラッピ(左)
世界ラリー選手権(WRC)第7戦「ラリーイタリア サルディニア」が現地10日に競技最終日を迎え、最終ステージの僅差逆転でティエリー・ヌービル(ヒュンダイ)が優勝を飾った。トヨタ勢ではエサペッカ・ラッピが3位に入り、表彰台に上がっている。

サルディニア島を舞台とするグラベル(非舗装路)戦は、今季全13戦のカレンダー上では折り返し点に位置するイベントだが、次戦第8戦が7月末の開催と少し間隔が開くため、ここで前半戦終了という意味合いも濃い。そしてその一戦は、#1 セバスチャン・オジェ(フォード・フィエスタWRC)と#5 ティエリー・ヌービル(ヒュンダイi20クーペWRC)による接戦激闘のフィナーレとなった。

最終日、最終のスペシャルステージ(競技区間)を残して、首位#1 オジェと2番手#5 ヌービルの差はわずか0.8秒。最終ステージ、先に走ったのは#5 ヌービルで、彼は#1 オジェの結果を待つ身だったが、ステージのタイム差1.5秒で#5 ヌービルに軍配が上がり、総合結果も0.7秒差でひっくり返すことになったのである。

今季のドライバーズタイトルを争う両雄が、前半戦最後の一戦でドラマチックな展開を演じた。個人6連覇を目指す#1 オジェと、初戴冠を狙う#5 ヌービル。両者はシーズン3勝ずつで並び、ポイント面ではもともと首位にいた#5 ヌービルがリードを27点に拡大した(WRCは優勝25点、個人は1戦最大30点獲得可能)。もちろん先の展開はまだまだ予断を許さないが、シーズンが終わってみて、もしヌービルが初の王座に就いていれば「あれが歴史のターニングポイントだった」と振り返られる可能性の高い一戦になったことは確実だろう。

劇的な逆転優勝を遂げた#5 ヌービルは、「全力を注いで戦った。本当にグレートな戦いだったよ。最終的にこれほど小さな差だったのだからね」と喜びを語る。そして、「最終ステージのスタート前に“決断”が必要だった。そして我々の決断は、勝利を目指すということだった。強く信じて、ハードにプッシュしたよ」と、タイトル争いを意識して2位でよしとするのではなく、あくまでこのラリーの勝利を最後まで狙う決断を下し、全力で攻めたことを窺わせた。この勝利の味は、格別なものと思われる。

一方、2位に敗れた#1 オジェは「確かにひとつのバトルに負けたが、これは戦争じゃないし、パニックになる必要はないよ。私は今日できる限りのことをやり尽くしたが、ここそこでコンマ数秒ずつ失っていたようだ」と、点差は小さくもなく思えるが、まだまだ泰然自若か。王座戦線は先が長い、と言いたげな5冠王である。

(*ただ、#1 オジェにはラリー進行に伴うカード受け取りに際してのミスがあり、それに起因する違反へのペナルティで今回獲得したポイントが剥奪される可能性が浮上していた。競技パフォーマンスに影響を及ぼす事案ではなかったため、次に同じミスをした時までポイント剥奪ペナルティは見送られることになり、今回は罰金のみが科されているが、#5 ヌービルとの差が危うく49点に広がる“ピンチ”だった)

トヨタ(TOYOTA GAZOO Racing WRT)は今回も3台の「ヤリスWRC」で参戦、ラリー序盤は3台とも上位争いに顔を出す上々の滑り出しだった。しかし、総合3番手につけていた#8 オット・タナクが金曜(8日)の最終ステージで、ジャンプからの着地時にマシンの冷却系を損傷、デイリタイアを喫してしまう。さらに翌日の土曜には、やはり総合3番手でこの日のステージを終えた#7 ヤリ-マティ・ラトバラが、リエゾン(移動区間)でオルタネーターのトラブルによりストップ。連日、デイ終盤に総合3番手だったマシンが止まるというタフな展開にトヨタは直面した。

そして残る1台、#9 エサペッカ・ラッピが3番手で最終日(日曜)に突入。トップ2とも4番手以降とも差がある状況だった#9 ラッピは、しっかりと走り切ることに集中し、3位のポジションのままで最終日を走り終え、自身にとって今季初の表彰台を獲得した。

#9 エサペッカ・ラッピのコメント
「今日は問題なくマシンをフィニッシュに導くことが、自分たちの仕事だった。自分自身とチームの自信を高めるために、今回の結果はとても重要な意味がある。ポディウムフィニッシュに値する戦いをしたと、自分でも思えるからね。今季これより前にもチャンスはあったけれど、自分のミスでその機会を失ってしまっていた。 でも、前戦ポルトガル(5位)と今回のサルディニアではミスなくラリーを戦うことができ、一貫性とパフォーマンスを両立できた。この良い流れを次戦フィンランドにもつなげたいと思っている」

#7 ラトバラと#8 タナクは再出走して、最終的に7位と9位で今回のラリーを終えている。

後半戦スタートとなる第8戦フィンランドは7月26~29日の開催。今季後半はヌービル対オジェの王座争いはもちろんとして、シーズン2勝目を目指すトヨタ、さらには来季開催実現を目指すWRC日本ラウンドに関しての動きにも注目していきたいところだ。
《遠藤俊幸》

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