バス転換を前提に沿線4町と存廃を決断…JR北海道札沼線廃止容認報道の月形町で住民説明会

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月形町の中核駅である札沼線石狩月形駅。JR北海道からは、北海道医療大学~石狩月形間を存続した場合、北海道医療大学以北の輸送密度は66人から147人、営業係数は2609円から2020円になるという見解が示されている。
  • 月形町の中核駅である札沼線石狩月形駅。JR北海道からは、北海道医療大学~石狩月形間を存続した場合、北海道医療大学以北の輸送密度は66人から147人、営業係数は2609円から2020円になるという見解が示されている。
北海道の月形町は、5月29日に同町で開催した「JR札沼線住民説明会」の概要を6月5日に明らかにした。

当別・月形・浦臼・新十津川の各町内を通る札沼線北海道医療大学~新十津川間は、JR北海道の「当社単独では維持困難な線区」のひとつに挙げられているが、5月17日付けの新聞各紙では、浦臼町と新十津川町がバス転換を容認し、月形町は5月16日に廃止容認に転換。残る当別町は月形町に追随する模様と報道されていた。

存廃に関するJR北海道と月形町の協議は今年4月から始まり、5月16日にはJR北海道の西野史尚副社長(当時)が月形町を訪れ、町からの協議事項に対して回答を示しており、住民説明会で公表された。

それによると、協議事項は北海道医療大学~石狩月形間存続を前提にした場合と、全区間廃止を前提にした場合に分けて示されており、存続を前提にした場合では、札幌圏への快速列車の運行や「月形刑務所」駅の新設が提案されていたが、これに対してJR北海道側は困難と回答。

第三セクター方式による運行のケースも示されていたが、その場合、JR北海道からの支援は、バス転換のための費用相当額が支援できる上限とされた。

全区間廃止を前提とした場合では、代替バスの運行を地元のバス事業者優先とし、廃止後、向こう18年間の自治体負担分を支援。運行本数は鉄道より3便多い上下18便とし、運賃は鉄道の1.3倍程度、運行時間は若干鉄道より長くなるという見解が示された。

また、札沼線沿線自治体がいち早く協議に応じたことから、支援の上積みなどの要望に可能な限り応じたいという意向も示されている。

このほか、ターミナル機能を持った町民交流の複合施設に対して一定額を支援、バスと鉄道が接続する北海道医療大学駅にはバスターミナルを新設し、石狩当別駅までの運行本数を増やすという。

JR北海道からの回答に対して、住民説明会では、代替バスが赤字に陥った場合に月形高校への通学生の足を確保する協議をJR北海道と進めていくこと、存廃の最終判断を月形町単独ではなく、あくまで4町の協議で進めていくことなどが町側から示された。

住民側からは「札幌方面への通勤圏として、鉄道の可能性を探れないか」「国や北海道の方針を待って結論を出してはどうか」といった意見が出されたが、町側では「少ない利用には鉄道以外に適した交通機関がある」「すぐに結論を出すのではなく、町民の皆さんや沿線4町でも話し合って決断していく」とし、バス転換を前提に慎重に決断していく姿勢を強調した。
《佐藤正樹(キハユニ工房)》

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