日産自動車は11月23日、新たなスポーティーサブブランドとしてオーテックを日本国内に投入することを明らかにし、その第一弾となる『セレナ オーテック』を横浜市内にある本社で報道陣に披露した。
オーテックブランドの開発を手がけるオーテックジャパンの片桐隆夫社長は同日会見し、「日本市場においてはNISMOとオーテックの2つのスポーティーサブブランドで、2枚看板として対応していきたいと考えている」とした上で、「走る喜びや操る楽しさを満たす動性能は共通としながらも、直接的にパフォーマンスを感じさせるデザインのNISMO、そしてプレミアム感の高い、クラフトマンシップを感じさせるデザインのオーテックという位置づけ」と述べた。
さらに「オーテックブランドが提供する付加価値は、NISMOと同様にデザイン、ハンドリング、加速感の3つ。デザインがNISMOとオーテックの2つの個性を表現している部分になる。オーテックに関してはプレミアムスポーティー感を求めるお客様のニーズに応えるデザインになる」と付け加えた。
一方でハンドリングや加速感に関しては「NISMO、オーテック間で共同開発や開発シナジーを追求し、乗り味に関しては両ブランド間で差別化しながらも、技術を共有化、相互補完を行っていく予定」とし、「セレナなどのNISMOとオーテック両ブランドを設定する車種に関しては、両ブランド間で動性能の付加価値においては、ほぼ味付け以外は同等。その上でお客様がデザインをNISMOとオーテックの2つの構成から選択できるという形を展開していく」と解説した。
また片桐社長は「オーテックにはインテリアパーソナライゼーションプログラムの採用も検討している」ことも明らかにした。その内容は「オーテックの匠の技術を活用し、インテリアの色や素材を複数から選択できるプログラム。将来的にこのようなプログラムも展開しオーテックブランドの価値を高め、お客様の期待に応えたい」というものだ。
今回、報道陣に披露されたセレナ オーテックはフロントグリルを始め各種エアロパーツ、ホイールなどをメタリックシルバーの専用パーツとし、内装にはオーテックブルーと名付けた青をシートのステッチやトリムに採用し、NISMOブランドの差別化を図っている。
セレナ オーテックの発売時期に関して片桐社長は「近いうちに発売したい」と述べるにとどめた。また価格についても明らかにしなかったが「基本的にカスタマイズに求められる価格帯も限度が当然あると考えているので、特別素材が違うとか性能が違うということがなければ、(NISMOブランドと)だいたい同じようなレベルにしないといけない」との認識を示した。