「青ガエル」を熊本の財産に…熊本電鉄5000形のメンテナンスプロジェクトが始動へ

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再塗装が予定されている5000形5101A。2018年2月10日には、クラウドファンディング参加者を対象に、5000形の車内や運転席の見学ができる熊本電鉄車庫見学ツアーも予定されている。
  • 再塗装が予定されている5000形5101A。2018年2月10日には、クラウドファンディング参加者を対象に、5000形の車内や運転席の見学ができる熊本電鉄車庫見学ツアーも予定されている。

熊本県の熊本電気鉄道(熊本電鉄)を応援している有志団体「鐵道創研」は、「青ガエル」こと、5000形をメンテナンスするためのインターネット募金(クラウドファンディング)を11月29日まで行なっている。目標額は200万円。

5000形は、1954年に東京急行電鉄(東急)東横線にデビューし、1959年までに105両が製造された。航空機に準じたモノコック構造を採用した軽量車体が大きな特徴で、当時流行した前面2枚窓の流線形スタイルや、丸味を帯びた裾部などからカエルのように見えるため、ライトグリーンの塗色もあいまって、いつしか「青ガエル」の愛称で親しまれるようになった。

東急の5000形は、1986年、大井町線を最後に引退したが、熊本電鉄には1981年から入線し、1985年まで6両が譲渡された。熊本電鉄入線後はワンマン化や両運転台化改造などが施され、主力車両として活躍していたが、2016年2月に引退。1985年に入線した5101Aと呼ばれる1両が、現在、運転体験イベントに使われている。

そんな5000形だが、現在は各部で腐食が進行しており、その車体を修復するメンテナンスプロジェクト一環として、再塗装を行なうことになった。プロジェクトを立ち上げた「鐵道創研」は、2015年に鉄道マニアの有志が集まって結成された団体で、5000形を保存・維持する取組みを熊本電鉄と協働で行なっている。

同団体では、5000形を「熊本の財産として、鉄道ファンの財産として後世に繋いでいくために、地方鉄道・地域住民・全国の鉄道ファンが一体となり、末永く動く状態で保存することを目指す」としている。

《佐藤正樹(キハユニ工房)》

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