自転車の損害保険加入義務化、戸惑う市民...名古屋市

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条例施行後も、景観条例があるため自転車置き場には加入義務の案内は掲示できないのだという(2日・名古屋市中区)
  • 条例施行後も、景観条例があるため自転車置き場には加入義務の案内は掲示できないのだという(2日・名古屋市中区)
自転車事故の増加で、自治体による損害保険などの加入義務化が進む。10月1日、鹿児島県と共に条例施行した名古屋市でも、どんな保険に入るべきか戸惑いの声が上がる。

名古屋市の義務化は公明党議員団などが旗振役となり成立した「自転車の安全で適正な利用の促進に関する条例」で定めれらた。このほかにも65歳以上の高齢者のヘルメット着用の促進、マナーや安全教育の推進なども盛り込まれているが、保険加入は実質的に市民の負担を伴う。名古屋市在住者だけでなく、市内に乗り入れる場合にも適用されるし、自家用車と違って、子供も含めて家族人数分だけ所有している場合も多い。

加入義務の狙いはどこにあるのか。同市地域安全推進課の担当者はこう説明する。
「保険加入の前に、自転車を安全に使ってもらうことが主目的です。しかし、それを行きわたらせるのは難しい。(次善の策として)自転車事故被害者の保護にも取り組む必要がある」

自転車事故では被害者となることを真っ先に思い浮かべるが、歩行者との事故で加害者となるのは自転車の運転者だ。未成年の運転でも、自動車事故と同じように被害者救済を考える必要がある。

「名古屋市の交通事故に占める自転車事故の割合は18.9%、全国平均の14.5%よりも高い」こうした状況も条例制定の背景となった。

自転車のための損害保険は、自治体などの共済(名古屋市にはない)も含めて、保険料も補償範囲も多様だ。10月1日の施行で市営地下鉄などには、保険会社による加入促進の広告も出始めたが、地域安全推進室には「どのような保険に入るべきか」という相談が、地域安全推進室には多く寄せられているという。

「自転車に対する補償は、自家用車の損害保険などの特約でカバーされいてることもあるので、まずはご家庭の損害保険の内容を確認してほしい。また、TSマークの付いた自転車にも保険が付いたものがある。さらに、各社の保険の中には、世帯主が加入すると家族全員の事故が補償される商品もあるようなので、ご自身にあったものをお考えいただきたい」

TSマークは、自転車安全整備士がいる自転車店で点検を受けた車両に貼付されるもので、点検日から1年間、搭乗者の損害と第三者への損賠賠償に対応する補償が得られる。

条例に罰則はないため今後、名古屋市では市政アンケートなどを利用して、条例制定の実効性を確認していく。
《中島みなみ》

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