4つのマイクを利用して同乗者個別の発話をモニタリング可能だ。走行中や音楽を聴いているとドライバーが前を向いて話している言葉は後ろの人は聞き取りにくい。個別の発話を拾うことで、後席のスピーカーにドライバーの声を届ける(逆もOK)ことができる。ノイズキャンセラも実装されており(DSPとソフトウェアで実現可能)、音楽を掛けながらでも車に命令を発する機能もデモされた。大音量で音楽を流しながら普通の声で「Open all window.」という命令を認識するデモだった。
クアルコムでは、これらのシステムをSoC(System on a Chip)で実現できるとして、このデモカーを製作したという。SoCとは、ECUのメインプロセッサに加え、GPU(グラフィックプロセッサ)、DSP(信号処理プロセッサ:音声合成・認識他)、メモリ、通信モジュール(Wi-Fi、Bluetooth、RF)など複数のシリコンデバイスをワンチップで構成したものだ。SoCを製造するには、単に半導体をまとめるだけでなく、これらを統合的に動かすソフトウェアや開発環境も必要となるが、クアルコム(他SoC提供メーカー)は、これらをOEMメーカー、サプライヤー向けに用意している。