ヤマハ発動機は、9月30日から熊本県芦北町で実施する「中山間地における道の駅等を拠点とした自動運転サービス」の実証実験に、ゴルフカーをベースにした小型自動車を提供すると発表した。
実験車両はナンバーを取得して実施する予定で、小型自動車による公道での自動運転実験は国内で初めて。自動運転の仕組みは、同社が1996年に発売し、全国のゴルフ場で運行されているゴルフカーの電磁誘導式自動運転技術を転用したもの。
実証実験は、道の駅「芦北でこぽん」と芦北町役場を結ぶ全長約6.3kmで、このうち自動運転区間は約4.1km。自動運転区間では最高速度12km/h、手動運転区間では19km/hで走行し、病院や社会教育センター、保育所、城下町、スーパーや駅の近辺に9カ所の停車場が設置される予定。
ヤマハ発動機が提供する車両は、国内向けのゴルフカー「G30sシリーズ」がベース。公道走行をするため、道路運送車両法に合わせてウインカーやバックミラーなどの保安部品を装着、新たに開発した走路記憶型の障害物検知ステレオビジョンを搭載する。
今回の実験は、超高齢化が進行する中山間地域における人流・物流の確保をするため、国土交通省が全国約13カ所の「道の駅」などで進めている「中山間地域における道の駅等を拠点とする自動運転サービス」の実験の一環。同社は熊本県芦北町で実験のほかに「道の駅かみこあに」(秋田県上小阿仁村)などでの実証実験にも車両を提供する予定。