信号待ちや料金所、渋滞などでバイクを停止させたら、坂道で足着きは思い通りにならないし、発進するのも困難だったなんてことがないだろうか。ボッシュの『ビークル ホールド コントロール(VHC)』は、そんな不安を解消する先進的なシステムだ。ドイツ・ボックスベルグにあるボッシュのテストコースで、その利便性を実際に味わってみた。まず、最新型のドゥカティ『ムルティストラーダ1200エンデューロ』を走らせ、急勾配の坂の途中で停止してみる。言うまでもなく、なるべくなら避けたいシチュエーション。通常のバイクならライダーは、ブレーキレバーを握り続けるか、あるいはブレーキペダルを踏み続けなければならない。しかしこのVHC搭載車なら、停車中にライダーがブレーキレバーを引いたり、ブレーキペダルを踏み込むだけで、ブレーキが掛かったままになるから、ありがたい! どれだけの量のブレーキ圧が必要なのかをABSユニットらが瞬時に計測し、それをリアタイヤに作動させることで車両を安全にその場所に維持させてくれるのだ。レバーやペダル操作から解放され、坂道発進も楽々。『ムルティストラーダ1200エンデューロ』の場合、システムは約10秒間作動し続け、この時間が経過するとライダーに警告を発した後に、自動的にゆっくりとブレーキを解除する。また、不要と思えばいつでもこの機能をオフにできるし、もちろん発進時にブレーキが効いたままになるなどという違和感はまったくない。特に車体が大柄で、しかもダートなど滑りやすく傾斜のある場所で停止するような状況が珍しくないアドベンチャーモデルでは重宝すること間違いなしだ。【独ボッシュ二輪技術説明会】1. 前年比2割増しの売上高、20年までに10億ユーロに2. 電話応対などスマホ操作がハンドルのスイッチで可能---ICCがスゴイ!3. バイクとクルマとインフラをネットワーク化すれば事故の1/3は防げる4. 旋回中もフルブレーキが可能…MSCの高い安全性を実感6. 二輪車用ABS進化の歴史と量産がますます加速する今後協力:ボッシュ(技術説明会)