【ポルシェ パナメーラ 新型】日本発表…相反する2つの特性

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ポルシェ パナメーラ 新型
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フルモデルチェンジしたポルシェ『パナメーラ』は、ラグジュアリーセダンにおけるスポーツカーというコンセプトと、車名である“パナメーラ”、そして ポルシェのエンブレム以外は先代から引き継いだものはないという。

新型パナメーラは相反する2つの特性を先代以上に兼ね備えている。「サーキットでのダイナミックな走行に完璧にマッチさせながら、長距離走行での快適性にも優れ、ビジネスミーティングにもリラックスしたまま到着することができる」とは、ポルシェAGパナメーラ製品ラインセールス&マーケティング担当ディレクターのDr.ステファン・ウチュ氏の弁。

相反する特性はこれだけではない。「また、魅力あふれるデザインと日常的な機能を合わせ持っている。そして、パワフルだが、同時に燃料効率にも優れている。最後は、これまでの次元を超えたデジタル化を取り入れているが、同時にポルシェ独自の運転哲学にも忠実だ」。これら相反する特性により、「パナメーラを更に魅力的な存在にしているのだ。我々はパナメーラをセグメント最高の車だと考えている」と自信を見せる。

そのデザインについてDr.ウチュ氏は、「更にダイナミックなプロポーションとなりながらも、この新世代のデザインには全てのアングルにポルシェの DNA が生きており、一目見た瞬間にポルシェだとはっきりとわかる」とポルシェらしさを強調。

フロントのディテールで特徴的なのは、6mm広がった全幅よりも幅広感を強調した点だ。Dr.ウチュ氏は、「これは両側に広がったA字形エアインテークや、ラジエーターグリルのクロスバーなどの装備によるものだ。また、矢の形状のようなボンネットには、ラインがバンパーに達するパワードームがありフロント周りをより低く見せている」と説明。そして、「この力強い外観を一層魅力的にしているのが4灯のLEDデイタイムランニングライトを組み込んだLEDマトリックスヘッドライトだ」と述べる。

このヘッドライトにはそれぞれが84のLED輝点で構成され、この輝点がまとまって一つの電球として機能する。用途に応じて個別に減灯、点灯、消灯が可能で、自動ハイビームも備えている。

サイドデザインについては、「ダイナミックさを高めた“フライライン”の影響で、先代よりスポーツカーのシルエットを際立させている。ルーフラインのリアを 20mm低くしたことで、ルーフラインはクーペらしさを強調。しかし、ヘッドクリアランスは犠牲にしていない」と話す。

もう一つ大きな特徴はサイドウインドウ後端のシックスライトだ。先代はドア側に配されていたが、新型ではピラー側に移設された。これにより、「更にクーペのような伸びやかなデザインが表現された」とDr.ウチュ氏はいう。また、ホイールベースを30mm延長したことで、フロントタイヤがより前方に行き、「伸びやかさを更に強調。同時にリアオーバーハングが長くなり、パナメーラの外観に一段と力強い印象を与えている」と述べる。

リアビューに関してDr.ウチュ氏は「最も変化の大きかった部分だ」という。「ポルシェデザインのDNAによってショルダー部分が強調された一方、目を惹くのが4灯のブレーキライトを統合した3DのLEDリアライトだ」とし、そのリアライト間は細長い LEDストリップで接続され、このストリップが「『911』との大きな差別化であるとともに、夜間でも点灯するので新型パナメーラだとわかってもらえるだろう」と説明した。

さて、前述の通り、パナメーラは先代から引き継いだ3つの中に、ラグジュアリーセダンセグメントにおけるスポーツカーというコンセプトがある。そこで新型でも、大人4人がゆったりと過ごせるスペースが確保された。「背の高い人が、例えリアシートに座っても快適だ」とし、そのボディサイズは全長5m超、全幅1.9m超、全高1.4m超で、ホイールベースは30mm延長され2.95mになった。

そして、日常の利便性を向上させるため、ラゲッジルームの容量を500リットルに増やし、更に、40:20:40 分割可倒式リアベンチバックレストの導入によって、ラゲッジ容量を最大 1304リットルまで増加させることで、「よりグランドツアラーとしての性格も強めている」と語った。

《内田俊一》

内田俊一

内田俊一(うちだしゅんいち) 日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員 1966年生まれ。自動車関連のマーケティングリサーチ会社に18年間在籍し、先行開発、ユーザー調査に携わる。その後独立し、これまでの経験を活かしデザイン、マーケティング等の視点を中心に執筆。また、クラシックカーの分野も得意としている。保有車は車検切れのルノー25バカラとルノー10。

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